首都高渋滞最大9割減 ロードプライシング影響か

ロードプライシングが始まった19日の首都高速道路。左中央は国立競技場=東京都内
ロードプライシングが始まった19日の首都高速道路。左中央は国立競技場=東京都内

東京五輪・パラリンピックの開催に伴い、首都圏で大規模に始まった交通規制だが、東京都内の首都高では平常時と比べて、最大9割も渋滞が抑えられているなど「効果」が顕著に表れていることが、警視庁のまとめで明らかになった。選手が移動する日中の時間帯に一般車の料金を1千円上乗せする「ロードプライシング」が影響したとみられる。警視庁は引き続き、車の利用を控えるなどの協力を呼びかけている。(宮野佳幸)

4連休が明けた26日の月曜朝。普段ならば、職場や納品先に急ぐ車の長い列ができる休日明けの首都高3号渋谷線の大橋ジャンクションだが、この日は走行している一般車は少なく、上下線ともにスムーズに通行できた。「ストレスがまったくないですね」。都内のタクシー会社に勤務する50代の男性運転手は、交通規制の効果をこう語る。

五輪・パラに伴う大規模な交通規制は19日から実施された。選手や大会関係者をスムーズに移動させるための措置で、首都高では外苑や晴海など4カ所の入り口を閉鎖。交通状況に合わせて追加での入り口閉鎖なども実施している。

また、都内区間で8月9日までの五輪期間中と8月24日~9月5日までのパラ期間中の日中(午前6時~午後10時)、一般車の料金を1千円上乗せする「ロードプライシング」を実施。一方で、夜間(午前0時~4時)は全車両(ETC車)を半額にしている。

警視庁などは、首都高と一般道で、感知器を用いて渋滞の発生状態を計測しているが、警視庁によると、競技が始まった21日は、新型コロナ禍の影響がない令和元年7月の平日の平均と比較し首都高で渋滞は86%減少したという。

22~25日の4連休も、首都高では、それぞれ元年7月の土日や祝日の平均と比べ60~96%渋滞が減少。26日も同月の平日の平均と比べ81%減っていた。

一方、23区の一般道は連休前の21日が14%増加。連休初日の22日も17%増加したが、23日は7%の減少に転じ、24日と25日も、それぞれ48%と43%の減少となった。

連休明けの26日は再び5%の微増となったが、警視庁幹部は「ロードプライシングや『車の利用を控えてほしい』という呼びかけに協力をいただいている結果だと思う」と分析する。

ただ、予期せぬ渋滞が発生する恐れもあり、警視庁は、引き続き、協力を求めるとともに、車での外出の際は組織委員会のホームページなどで交通情報を確認するように求めている。

会員限定記事会員サービス詳細