千葉知事、緊急事態要請へ 再び酒類提供終日自粛か 地域差に配慮検討

記者団の取材に応じる熊谷俊人知事=7月27日、県庁(小野晋史撮影)
記者団の取材に応じる熊谷俊人知事=7月27日、県庁(小野晋史撮影)

千葉県の熊谷俊人知事は27日、県庁で記者団の取材に応じ、新型コロナウイルスの感染が急拡大している状況を踏まえ、早ければ28日にも政府に緊急事態宣言の発令を要請する方針を示した。宣言が出た場合、飲食店には再び、酒類提供の終日自粛を要請するとみられる。

県によると、県内で確認された新規感染者数は26日までの直近7日間平均で323人を超えた。病床稼働率は46・3%で、うち重症者向けは20・8%となり、いずれも増加傾向にある。

ただ、新規感染者に占める60歳以上の割合は6・4%にとどまっており、低下傾向。ワクチン接種の効果で、65歳以上の重症化も抑えられている。

熊谷知事は県内の感染状況について「東京の状況から、まだ増えることを覚悟しないといけない」と指摘。五輪開催と感染拡大は「基本的に関係ない」とした上で、「特にわれわれが見ているのは重症、中等症の患者の推移だ。この増加傾向が続くと医療逼迫(ひっぱく)が続き、緊急事態宣言の要請も避けられない」と話した。

一方、熊谷知事は県内での感染状況の地域差を念頭に、北海道を例に挙げながら、宣言の柔軟な対応に向けて政府と協議を続ける姿勢を示した。

北海道庁によると、5~6月に緊急事態宣言が発令された際、札幌と旭川の両市などを「特定措置区域」に指定。区域外では制限付きで酒類の提供を認め、区域内との違いを設けた。

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