笑顔がはじけた。女子ストリートの西矢はベストトリック4回目の着地をきれいに決めて首位に立つと、5回目も着地に成功。「すごくうれしかったし、安心した」。高低差のある手すりを使って多彩な技を繰り出し、金メダルをたぐりよせた。
ベストトリックの1、2回目は着地に失敗。その時点で決勝進出者で最下位の8位に沈んだ。「もう勝てないと思った」と心が折れかかったが、周囲の励ましで気持ちを奮い立たせ、終盤の逆転劇を呼んだ。
「お父さんとお兄ちゃんがやっていて格好良かった」と6歳でスケートボードに乗った。最初は遊び程度だったが「新技に乗ったときが一番楽しい」と夢中に。勝利後には「(五輪の舞台は)普段の大会とそんなに変わらなかった」と言ってのけた。
大会で良い成績を残せば、ご褒美として食事に連れて行ってもらえる。「焼き肉を食べたいです」。怖いもの知らずの13歳が、最高のスマイルを見せた。