「精霊さんの指示で刺した」大阪交番襲撃事件で被告人質問

大阪地裁の外観
大阪地裁の外観

大阪府吹田市の交番で令和元年6月、警察官を刺して重傷を負わせ、拳銃を奪ったとして強盗殺人未遂などの罪に問われた無職、飯森裕次郎被告(35)の裁判員裁判の第3回公判が26日、大阪地裁(渡部市郎裁判長)で開かれ、被告人質問が行われた。飯森被告は統合失調症の悪化で頭の中に現れる幻覚・幻聴の「精霊さん」の指示に逆らえない状態だったと説明。事件時は「警察官を『刺して殺せ』という指示があった」と述べた。

飯森被告は法廷でほとんど目を閉じているが、その理由を弁護人に問われ、「テレビで見たり実際に目にした人すべてが、頭の中に現れて自分や両親を殺そうとしてくるから」と話した。また「現実と夢の区別がつかない」とも語った。

このほか、事件の約10日前に1人で沖縄に旅行に行った際、幻覚の指示で服薬をしなかったところ、「体調が最悪になった」と説明。一方、当時暮らしていた東京から大阪へ向かったことや警察官を襲った理由、犯行後に着替えをしたことなどについては「覚えていない。指示に従った」と繰り返した。

起訴状によると、被告は元年6月16日早朝、大阪府警吹田署千里山交番の駐車場で、当時巡査だった古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査長(28)の胸などを包丁で複数回刺して重傷を負わせ、実弾の入った拳銃を奪ったなどとしている。

今月19日の初公判で、被告は「たぶん僕がやったであろうことは認めますが、正直分かりません」と述べた。弁護側は「統合失調症の影響で犯行を思いとどまることができず、刑事責任能力を問えない」として無罪を主張。検察側は、限定的な責任能力はあったとしている。