傷だらけだった阿部詩 悲願の兄妹金メダル「初めてのような感覚」 - 産経ニュース

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傷だらけだった阿部詩 悲願の兄妹金メダル「初めてのような感覚」

女子52キロ級で優勝しガッツポーズする阿部詩=日本武道館
女子52キロ級で優勝しガッツポーズする阿部詩=日本武道館

「初めてのような感覚が舞い降りてきた」。勝利の瞬間、歓喜の涙がとめどなくあふれた。われを忘れて畳をたたいて喜んだ。阿部詩が女子52キロ級では日本勢初となる金メダルを獲得した。

決勝のブシャールは唯一、黒星を喫した海外選手。悲願成就の相手に不足はなかった。

前半は奥襟をつかみ、得意の肩車に持ち込もうとする相手の攻めに耐える時間が多かった。延長に入っても、まともに組めない我慢の時間が続く。しかし、次第にブシャールに疲れが見えた。最後は強引に畳に裏返しての抑え込み。後は金メダルへのカウントダウンを待つだけだった。

兄、一二三の背中を追い、5歳で柔道を始めた。10代から脚光を浴び、2018年に一二三と世界選手権を同日優勝。「兄妹での五輪金メダル」が現実味を帯びた。

19年も2連覇したが、新型コロナウイルス禍中で再開した国際大会では海外勢の対策が進んでいた。得意の袖釣り込み腰が決まらず「警戒されている。一本を取るのが難しくなっている」と危機感を募らせた。急遽(きゅうきょ)、五輪前にもう1大会に出場して最後の調整を終えた。この日は右足首にテーピングを巻き、実は満身創痍(そうい)だった。勝利の瞬間、沸き立つ感情を抑えることができなかった。(田中充)

日本初 兄妹で「同日金メダル」 阿部一二三と詩

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