日英、部隊訪問円滑化へ協定検討 相互運用向上で中国牽制

英ポーツマスの海軍基地を出航する空母「クイーン・エリザベス」(AP=共同)
英ポーツマスの海軍基地を出航する空母「クイーン・エリザベス」(AP=共同)

政府が英国との間で、自衛隊と英軍が相互訪問する際の手続きを簡素化する円滑化協定の締結を検討していることが25日、分かった。英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」の日本寄港や、哨戒艦2隻によるインド太平洋地域での恒常的な活動など、英国が同地域への関与を強めていることを踏まえ、日英の相互運用性を高めて中国を牽制する狙いがある。

20日に行われた日英防衛相会談では、クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群の具体的な寄港先が公表されたほか、英海軍の哨戒艦2隻がインド太平洋地域で今後、恒常的に活動することも明らかになった。

英政府は哨戒艦2隻の恒常的な展開に関し、日本、オーストラリア、シンガポールなどから協力を得る見通しを示しており、補給などで日本に寄港する頻度が高くなる可能性がある。

円滑化協定は武器の持ち込みや税制、相手国で罪を犯した場合の刑事裁判権など、隊員の法的地位や手続きを明確にするもので、協定が発効すれば部隊間の行き来がよりしやすくなる。

日本は米国との間で地位協定を結んでいるほか、昨年11月の日豪首脳会談で米国以外では初めて豪州との間で円滑化協定が大枠合意に至った。日本政府関係者は「豪州の次は英国だ」と強調する。

今後、英国との防衛協力は進展していく余地が大きい。今年9月に寄港するクイーン・エリザベスと自衛隊は共同訓練を行う予定で、クイーン・エリザベスは短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bを搭載している。

航空自衛隊は令和6年度からF35Bを新田原基地(宮崎県)に段階的に配備していく計画で、海上自衛隊はF35Bの運用を可能にするため、全通式甲板を備えるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」と同型艦「かが」の改修を進めている。

将来的には、〝空母化〟した護衛艦に英軍のF35B、英空母に空自のF35Bが発着することも視野に入れており、相互運用性を高めるための態勢整備を急ぐ。