東京五輪 環境配慮が未来への遺産に 水素やリサイクル技術 排出量実質ゼロ達成

循環型社会の到来を見据えたリサイクルの取り組みも活発だ。日本選手団の公式ウエアを担当したアシックスは着古したスポーツウエアから生み出した繊維を活用し、「リサイクル繊維の比率はジャケットで約50%、シューズの上部や中敷きの表部分では100%を占める」という。

ほかにもプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&Gジャパン)などは、約100台の表彰台を廃プラスチックで製作。選手に贈られるメダルの材料は、小型家電などの「都市鉱山」から集められた。

五輪と環境問題をめぐっては、スイスなどの国際研究チームが4月、1992年以降の夏季・冬季五輪16大会の持続可能性に関する評価を発表。近年の五輪ほど評価が低くなる傾向があると指摘した。しかし東京五輪への評価は2016年のリオデジャネイロ五輪より高く、12年のロンドン五輪と同水準で、会場の新規建設などが比較的少ないことなどが評価されている。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は6月、東京大会開催に伴い発生する273万トンのCO2は東京都と埼玉県から無償提供される438万トンの排出枠で相殺されると発表。目標としてきたCO2排出実質ゼロが達成できる見込みだ。

トヨタの伊藤正章オリンピック・パラリンピック部長は「(自社などの取り組みが)環境負荷軽減に貢献し、CO2排出量もこれまでで最も低い数値になるだろう」と大会成功に自信を示す。(井田通人、宇野貴文)