人気確実「線路の輪切り」を返礼品にした地元愛(1/2ページ) - 産経ニュース

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人気確実「線路の輪切り」を返礼品にした地元愛

約1メートルに裁断されたレール。これをさらに1センチの厚みにスライスすると、断面は当初の銀色のまま(写真中央)
約1メートルに裁断されたレール。これをさらに1センチの厚みにスライスすると、断面は当初の銀色のまま(写真中央)

京都府北部のローカル線「京都丹後鉄道」(丹鉄)の事業者が、ふるさと納税の返礼品として製作した「線路の輪切り」が注目を集めている。寄付金2万円以上が対象にもかかわらず、申し込み初日にほぼ〝完売〟となる人気ぶり。鉄道ファンにはたまらないこの返礼品が誕生した背景には、コロナ禍で経営が厳しくなった丹鉄から地元自治体への、深い感謝の気持ちがあった。

初日にほぼ〝完売〟
京都丹後鉄道がふるさと納税の返礼品として製作した「線路の輪切り」
京都丹後鉄道がふるさと納税の返礼品として製作した「線路の輪切り」

「予想以上だったのでうれしい」

丹鉄を運営する「WILLER」(大阪市)の広報担当者は、その反響の大きさに驚きを隠せない。「線路の輪切り」は、ふるさと納税の返礼品として、20個を用意。7月1日に沿線自治体の京都府宮津市、京丹後市、与謝野町で申し込みを開始したところ、その日の午前中に19個の申し込みがあった。残り1個も5日後には行き先が決まったという。

「線路の輪切り」は、丹鉄宮豊線の宮津駅(宮津市)と網野駅(京丹後市)で約30年にわたって使用された線路を使用。その役目を終えた線路は従来、廃棄されていたが、「何か価値のあるグッズに変えられないか」と社員が発案。沿線自治体に「ふるさと納税返礼品として活用できないか」と打診したところ、自治体側から「線路の輪切り」の話がもち出されたという。

「線路の輪切り」を作るため、専用の機械で線路を裁断する社員ら
「線路の輪切り」を作るため、専用の機械で線路を裁断する社員ら

製作は線路の修理や保線を担当する社員らが技術力を発揮し、業務の合間に取り組んだ。線路を専用の機械を使って、約1メートル単位の長さに裁断。その後、さらに約1センチの厚みにスライスした。

スライスした線路の表面を研磨機で丁寧に磨き上げ、光沢のある「線路の輪切り」が完成。完成品には駅看板を模したシリアルナンバープレートを1枚ずつ付け、地元の絹織物「丹後ちりめん」を台紙にした特製ケースに収めた。

他の鉄道事業者も製作

同社としては初めて製作した「線路の輪切り」だが、他の鉄道事業者が作った例はあり、鉄道ファンの間では人気グッズとして知られる。鉄道事業者のイベント限定で販売されたり、オークションサイトで取引されたりしている。