「小さな巨人」銀に悔しさも周囲に感謝 柔道・渡名喜

女子48キロ級決勝で敗れ、涙ぐむ渡名喜風南=日本武道館
女子48キロ級決勝で敗れ、涙ぐむ渡名喜風南=日本武道館

「覚悟をもって闘い抜く」と言い放ち、初めて挑んだ五輪の舞台。148センチの小さな体で体格に勝る海外勢を抑え込む姿は、さながら「巨人」のようだった。柔道女子48キロ級の決勝。渡名喜風南(となき・ふうな)は世界ランキング1位のクラスニチ(25)=コソボ=に終了間際に技でのポイントを取られた。残り、20秒。必死に攻めた。だが、頂点にはあと一歩及ばなかった。試合終了の瞬間、悔しそうに天を仰ぎ、畳をたたく。その後、勝者の肩に手を回し、健闘をたたえた。

日本の最軽量級選手の多くは接近戦を避けがちだが、渡名喜は攻める。準決勝では寝技も駆使し、この日も20センチ以上も大きな相手を畳に抑え込んだ。

「世代が重ならなければいいな」。48キロ級の世界選手権覇者で日本女子の代表コーチを務める坂本(旧姓・浅見)八瑠奈(はるな)さん(33)は10年ほど前、母校の大学に稽古に訪れた中学生の渡名喜と組み合い、恐れを覚えた。

まだ体は小さく、力もなかったが「気持ちの強さもあった。この技にパワーが付いたら怖いと思った」。

修徳高(東京)時代も負けん気は人一倍だった。

試合のたび、宣言する。

「絶対ここで優勝する」

「勝たなくていい。風南らしい柔道をすればいい」

当時の指導者でアジア大会金の宮田(旧姓・北田)佳世さん(43)は幾度なだめたか知れない。

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