東京五輪の競技は23日から本格化し、ボート予選が始まった海の森水上競技場(東京江東区)周辺では、朝から警察や自衛隊などの関係車両が多く出入りした。ただ、無観客となった会場には競技実況のアナウンスが響き渡るのみで、静けさが漂っていた。
午前8時半ごろ。会場周辺の駐車場には「観客シャトルバス乗降場」と書かれた看板があり、その奥には無人の都営バス約140台が並んでいた。
警備員の男性は「無観客になったことで使われなくなったシャトルバス。どうしようもないが、落書きなどをされたら困るので見張っている」と漏らした。
会場の関係者入り口手前の柵の隙間から、競技を見つめる親子の姿も。兵庫県から競技を見に来たという男性会社員(36)は「息子に生でボートを見せたかった。ちょっとでも見えればいいなという思いで来たが、夏休みの思い出作りができてよかった」と話した。小学2年の息子(7)も「楽しかった。ボートが見られてよかった」と笑顔だった。