橋本聖子会長「日本へようこそ、ようこそ東京へ」 挨拶全文

各国選手団の入場行進で拍手する大会組織委の橋本聖子会長=23日夜、国立競技場
各国選手団の入場行進で拍手する大会組織委の橋本聖子会長=23日夜、国立競技場

東京2020組織委員会、橋本聖子会⻑の開会式あいさつ全文は以下の通り。

天皇陛下のご臨席を仰ぎ、ここに、東京 2020 オリンピック競技大会の開会を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。I O C バッハ会⻑はじめ、委員の皆さま、各国からご列席いただいたご来賓の皆さま、この開会式をご覧になっている世界の皆さま、日本へようこそ、ようこそ東京へ。心から歓迎申し上げます。

東京大会は、オリンピック史上初の延期という大きなチャレンジの中で、本日、開幕します。多くの方々の手によって、一つ一つ、希望が繋がれ、今日この日を迎えました。世界中がコロナ禍の厳しい状況にある中、医療従事者の皆さまをはじめ、この困難を乗り越えようと日々尽力されている全ての方々へ、敬意と感謝を申し上げます。そして、この大会の開催を受け入れていただいた日本の皆さま、開催実現のために、ともにご尽力をいただいた IOC、日本国政府、東京都、関係者の皆さま、ありがとうございます。

振り返れば、東京にオリンピックを迎えようとしていた 10 年前、東日本大震災によって、私たち日本人は大きな困難と、深い悲しみの中にありました。立ち上がり、前に進む力も失いかけていました。その時、世界中の方々が手を差し伸べてくださいました。「さあ、共に前に進もう」と。

今、あれから 10 年が経ち、私たちは、復興しつつある日本の姿を、ここにお見せすることができます。改めて、全ての方々に感謝いたします。

あの時、社会においてスポーツとアスリートがいかに役割を果たすことができるかが問われました。そして今日、世界中が困難に直面する中、再びスポーツの力、オリンピックの持つ意義が問われています。

世界の皆さん、日本の皆さん、世界中からアスリートが、五輪の旗の元に、オリンピックスタジアムに集いました。互いを認め、尊重し合い、ひとつになったこの景色は、多様性と調和が実現した未来の姿そのものです。これこそが、スポーツが果たす力であり、オリンピックの持つ価値と本質であります。

そしてこの景色は、平和を希求する私たちの理想の姿でもあります。オリンピックとともに、休戦決議期間が始まりました。平和という理想に、まだ遠い現実に生きている人々にとって、わずかでも、平穏を求める救いとなるのではないでしょうか。これもまた、オリンピックだけが持つ、重要な価値であります。今この瞬間も戦火に苦しみ、紛争に翻弄されている人々に対して、平和の祈りを捧げます。

アスリートの皆さん、この舞台に集まっていただき、ありがとうございます。困難な中でも決して立ち止まることなく、前を向いて、努力を続ける姿に、私たちは励まされ、今があります。同じアスリートとして、私は、世界の全てのアスリートを誇りに思います。そして讃えたいと思います。

自らを信じて、一心に進んできた、これまで皆さんが描いてきた軌跡は、自分自身の未来に、大きな、そしてかけがえのない宝物になります。

自信を持って舞台に上がってください。今こそ、アスリートとスポーツの力をお見せするときです。その力こそが、人々に再び希望を取り戻し、世界を一つにすることが出来ると信じています。世界は皆さんを待っています。

私たち組織委員会は、半世紀ぶりとなるこの東京大会が、後世に誇れる大会となるよう、最後までこの舞台を全力で支えてまいります。ありがとうございました。