家族の支え力に 東京五輪、ママアスリートにも期待

オンラインで取材に応じる、東京五輪のバレーボール女子日本代表の荒木絵里香
オンラインで取材に応じる、東京五輪のバレーボール女子日本代表の荒木絵里香

23日夜に開会式を迎える東京五輪は約1万1千人の選手が参加し、男女比が初めてほぼ同数の大会となる。国際オリンピック委員会(IOC)は入場行進で各国・地域の選手団を先導する旗手に初めて男女1人ずつの起用を求めるなど、ジェンダー平等を推進。日本代表も583選手のうち、女子が史上最多の277人を数える。出産後も競技生活を続ける選手もおり、ママアスリートの活躍も見逃せない。

北京五輪から4大会連続出場となるバレーボール女子主将の荒木絵里香(トヨタ車体)は2012年ロンドン五輪後、長女の和香ちゃんを出産した。競技と育児の両立は難しく、元ラグビー選手の夫や母のサポートを受けながら現役を続けた。練習や合宿などで家を空けることが多く、遠征前には和香ちゃんが泣き叫ぶこともあった。

競技生活の集大成として臨む覚悟だった東京五輪が1年延期。昨春に小学校に入学した和香ちゃんと自宅で過ごす時間が増えたことはうれしかったが「勉強させないといけないし、ごはんも作らないといけない…。一日があっという間に過ぎた」。延期が決まった直後は引退も頭をよぎったという。

それでも「覚悟を決めてここまで進んできた。簡単にやめたくない」と夫や母に伝えた。家族は全面的なバックアップを約束。和香ちゃんも最近は悲しい気持ちをこらえ、笑顔で送り出してくれる。「一緒にここまで戦ってくれた」。期間中に37歳の誕生日を迎える五輪は、家族への恩返しの舞台でもある。

セーリング女子470級の吉田愛(ベネッセ)は17年、夫で元五輪代表でもあるコーチの雄悟さんとの間に長男の琉良(るい)ちゃんが生まれた。「メンタルが影響する競技。子供ができて心をコントロールできるようになった」と精神面の安定がプラスに働いたという。18年の世界選手権で日本女子初の優勝を果たし、40歳で臨む今大会でも金メダルを狙う。

陸上女子100メートル障害の寺田明日香(ジャパンクリエイト)はママになって現役に戻ってきた。

08年から日本選手権を3連覇したが、相次ぐ故障もあって20代前半だった13年に現役を退いた。結婚し、14年に長女の果緒ちゃんが誕生。7人制ラグビー転向を経て18年末に陸上に復帰した。

競技会場にもまな娘が同行する。日本記録をマークした今年4月の大会では果緒ちゃんを呼び寄せ、記録を表示したタイマーの前で一緒に記念写真に納まった。うれし泣きする娘の姿に、感性が養われてきたと実感し「大きな成長」と目尻を下げた。

夫の佐藤峻一さんがマネジメントを担当するなど家族のサポートは大きな力だ。陸上選手団の代表を務める31歳は「多くの子供たちに頑張ることの尊さや、スポーツを通じて人生を豊かにできることを伝え続けたい」と誓った。(五輪取材班)

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