軍艦島「遺憾」決議の報道で無関係写真を引用 韓国テレビ

長崎市の端島(通称・軍艦島)
長崎市の端島(通称・軍艦島)

国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会が22日、長崎市の端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」について、徴用された朝鮮人労働者に関する日本政府の説明が不十分だとして「強い遺憾」を盛り込んだ決議を採択した。採択をめぐっては、見通しを報じる韓国のテレビ局で朝鮮半島出身の徴用工と関係のない写真の引用が相次いだ。

韓国のテレビ局JTBCが17日までにインターネット上に公開した動画では、軍艦島に関する報道の中で、福岡・筑豊地区の石炭企業でつくる「筑豊石炭鉱業会」が昭和10年に出版した「五十年史」に収録された写真を使用した。10年は先の大戦が始まる前で、徴用政策とは無関係だ。

韓国政策放送(KTV)が19日にネット上に掲載した動画は、同様の報道で「母に会いたい」「故郷に帰りたい」とハングルで書かれた「落書き」を映し出した。この落書きは、昭和40年に朝鮮総連傘下の団体が制作した映画で筑豊炭坑で働く朝鮮人労働者の痕跡をたどる際、スタッフが書いたものであることが西日本新聞の取材で判明している。

韓国の公共放送KBSが13日にアップした動画は、昭和30年に放送されたNHK番組「緑なき島」で軍艦島の坑内作業だとして報じられた動画を使用した。

この坑内映像をめぐっては島外で撮影されたとの疑義が生じており、元島民らが「別の炭鉱の映像が使われている」と強く反発している。NHKの前田晃伸会長は5月17日の参院決算委員会で外部の有識者に映像の検証を委ねる考えを示していた。(奥原慎平)