軍艦島に「強い遺憾」 ユネスコ世界遺産委が決議採択 - 産経ニュース

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軍艦島に「強い遺憾」 ユネスコ世界遺産委が決議採択

長崎市の端島(通称・軍艦島)
長崎市の端島(通称・軍艦島)

【パリ=三井美奈】国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は22日、長崎市の端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」について、徴用された朝鮮人労働者をめぐる説明が十分ではないとして、「強い遺憾」を盛り込んだ決議を採択した。韓国の要請に沿ったもので、日本に対し、犠牲者を記憶するための方策をとるよう勧告した。

決議は、「意思に反して、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮人やほかの人たち」と徴用政策について、理解できるような方策をとるよう要求した。関係者との対話も促した。

日本は昨年、「明治日本の産業革命遺産」の情報発信の場として、東京・新宿に「産業遺産情報センター」を設立したが、今回の決議は現在の展示は不十分だとして、改善を要求したものだ。日本は決議により、来年12月までに勧告の実施状況をユネスコに報告するよう求められた。2023年の世界遺産委員会で進捗状況が審議される。

決議は、世界遺産委員会を構成する21カ国がコンセンサス方式で採択した。同委員会には現在、アジアから中国とタイが参加しており、日韓は決議に加わっていない。採択にあたって、日本、韓国は発言を求めなかった。

決議はユネスコが委任した3人の専門家の報告書が土台になった。報告書は同センターで展示された端島住民の証言パネルについて「(意思に反して)働かされた人はいなかったというメッセージを伝える」と指摘。「現状では犠牲者を記憶するという目的に適切に応じた展示はない」と結論付けた。専門家は今年6月、センターを視察した。

センターは15年、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録にあたり、日本が出した声明に基づいて設置された。登録に韓国が反対したため、日本は朝鮮人労働者や徴用政策について理解できるような措置をとると声明で約束し、登録を実現させた。

今回の世界遺産委員会は中国・福建省でオンライン形式で開かれ、中国が議長国を務めている。