奈良の豆菓子工場で火災、重要文化財の神社本殿に飛び火

激しく燃え上がる豆菓子工場=奈良市紀寺町(近隣住民提供)
激しく燃え上がる豆菓子工場=奈良市紀寺町(近隣住民提供)

22日午後5時半ごろ、奈良市紀寺町の豆菓子製造業「かやもと商店」の工場から出火。隣接する民家など数軒に延焼した。けが人はいないとみられるが、約140メートル離れた崇道天皇社(すどうてんのうしゃ)の重要文化財の本殿に飛び火し、檜皮(ひわだ)ぶきの屋根約1メートル四方を焼いた。

奈良県警奈良署によると、出火当時、工場に従業員はいなかったが、同日午後3時ごろまで豆菓子の製造をしていたという。現場は奈良公園の南約500メートルの国道169号沿いで、消火活動のため国道は通行止めに。火の粉が周辺の住宅地に飛び散り、騒然となった。

崇道天皇社によると、本殿は春日若宮社から移築された桃山時代の建造物。延焼を防ぐため、ホースで屋根に水をかけていた40代の男性宮司が、火の粉が屋根に燃え移ったのに気がつき、ホースを持って屋根に上り、消し止めたという。

火災があった豆菓子工場=奈良市紀寺町(近隣住民提供)
火災があった豆菓子工場=奈良市紀寺町(近隣住民提供)

会員限定記事会員サービス詳細