金星の夜、雲の動きは昼間と逆 探査機あかつき観測

東京大などの研究チームは、これまで謎だった金星の夜間の雲の動きが、昼間とは逆方向に動いていたことを突き止めた。金星の大気の動きなどを観測している探査機あかつきからの画像データ解析で判明した。研究成果は英科学誌ネイチャーに22日に掲載される。

金星には、二酸化炭素を主成分とする大気の高度50~70キロに硫酸でできた雲の層がある。また、自転周期の約60倍の速さにあたる秒速100メートルに達する高速の風(スーパーローテーション)が西向きに吹いていることが分かっている。ただ、従来の観測では、雲の動きは紫外線により研究されており、太陽光の当たらない夜間の動きは未解明だった。

研究チームは、あかつきに搭載された赤外線カメラが約1時間ごとに撮影した雲の画像2年分を詳しく調べた。探査機から送信されてきた複数の画像をずらしながら重ね合わせ、不要な情報を除去しながら、夜間の雲の動きを可視化することに初めて成功した。

その結果、主に日没から真夜中にかけ、雲の層の頂上付近では、極から赤道方向に向かう流れが生じていると判明。昼間は赤道付近から極に向けて雲が動いており、昼夜で雲の動きが逆になっていた。速さは昼間と同程度だった。この分析から、スーパーローテーションなどの気象メカニズム解明に重要な知見が得られたという。

2010年に打ち上げられたあかつきは当初、軌道投入に失敗したが、5年後に再挑戦して成功。現在も運用し、研究チームは金星の大気の謎を解明し続けている。あかつきチームを率いる宇宙科学研究開発機構(JAXA)の中村正人プロジェクトマネージャは「これからも成果が出てくる」と自信を示した。