【我流~社会部発】日本籍児童を朝鮮名で呼ぶ人権軽視 - 産経ニュース

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我流~社会部発

日本籍児童を朝鮮名で呼ぶ人権軽視

大阪府東大阪市立布施小学校の敷地内に置かれている石像。韓国・済州島のシンボルとされる「石のおじいさん」の意味合いがある
大阪府東大阪市立布施小学校の敷地内に置かれている石像。韓国・済州島のシンボルとされる「石のおじいさん」の意味合いがある

日本名が「花子」なら「ファジャ」。大阪府東大阪市立布施小学校の課外活動「民族学級」で、日本国籍で日本名を使って生活している児童がいるのに、勝手に朝鮮名を付けて学級内外で呼んでいた実態が明らかになった。学校は保護者の抗議を受けて対応を改めたが、人格形成の途上にある子供たちの人権が蹂躙(じゅうりん)されていたと言うほかない。

同小の民族学級に在籍する児童は約70人。親ら血縁者は朝鮮半島にルーツを持つが、児童の大半は日本籍だ。主に民族学級を運営する韓国籍の常勤講師のもと、朝鮮語の読み書きなどを学んでいる。

学校側は民族学級に参加する前に朝鮮語で呼称することは伝えていたとする一方、保護者に説明を尽くさず、明確な意思確認もしていなかった。学級への参加意思をもって朝鮮名で呼ぶことへの同意ととらえていた向きすらある。保護者の一人は「事前に分かっていたら、子供を通わせることは絶対になかった」と証言した。

今回のケースでは、民族学級内にとどまらず、普段の教室でも担任教諭や同級生が民族学級に参加する児童を朝鮮名で呼んでいた。前述の保護者はわが子にルーツを伝えていなかったが、同級生が朝鮮名で呼ぶ場面に遭遇し、衝撃を受けたという。返却されたひらがなの練習プリントに、子供が日本名とともにハングルで名前を書いていたと明かした別の保護者もいる。

学校側には抗議の声が届いていたが、対応は先月にこの問題が明るみに出るまで改まらなかった。保護者の求めがあっても子供の心の揺れ動きを慎重に見極める必要があり、即座に本名以外で呼ぶことを止めるのは難しかった、と学校側は説明した。

もっともらしい理由に聞こえるが、年端もいかない子供たちの態度に依拠する危うさをはらむ。なぜこれほど朝鮮名で呼ぶことにこだわったのか。

民族学級の本質が「多文化共生」であるならば、自身のルーツに誇りを持ってもらおうとする目的自体を一概に否定するわけではない。一方で、生まれ育った日本という土台を含めて理解を深める必要もあろう。小学生はアイデンティティーを形成する大切な時期だ。学校側としては良かれと思ってしたことだろうが、児童の頭に朝鮮名を刷り込むようなやり方は許されるのだろうか。

さらに別の問題もある。日本と韓国、北朝鮮との間には、戦前の日韓併合など歴史認識をめぐって決して埋まらない溝がある。ある保護者によると、在校児童が行う劇の催しで日本人役が「この朝鮮人めが!」と蹴りを入れるシーンがあったという。歴史観はおろか、判断力もおぼつかない子供たちに「日本は悪」「残虐な日本人」という一方的な反日イメージを植え付けることになりかねず、看過できない悪質さを感じるのだ。(社会部 矢田幸己)