「普段の週末より静か」「有観客でよかった」 福島、宮城の会場ルポ - 産経ニュース

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「普段の週末より静か」「有観客でよかった」 福島、宮城の会場ルポ

無観客開催で五輪会場周辺に人影はまばら。猛暑によるかげろうでパトカーが歪んだ=21日、福島市(芹沢伸生撮影)
無観客開催で五輪会場周辺に人影はまばら。猛暑によるかげろうでパトカーが歪んだ=21日、福島市(芹沢伸生撮影)

「普段の週末より静か」「有観客の実施はよかった」-。東京五輪の開会式に先立ち、福島、宮城の両県では21日、ソフトボールとサッカーの試合がそれぞれ行われた。無観客開催となった福島県営あづま球場(福島市)周辺は厳重な警備態勢とは対照的に人影がまばらな一方、キューアンドエースタジアムみやぎ(宮城スタジアム、宮城県利府町)では有観客開催に安堵(あんど)をにじませる観客も。それぞれの会場周辺の住民や飲食店関係者らに話を聞いた。

福島

無観客での試合開催となった福島市の県営あづま球場周辺は交通規制が敷かれ、警戒に当たる警官や警備員、五輪関係者以外の人影はまばら。五輪のお祭りムードには程遠い雰囲気に包まれた。

球場へ向かう道路は、大会関係者や近隣住民などの許可車両以外は通行禁止。球場方面に向かう車両は警備員が1台ずつ許可証をチェックした。球場の近くに住む女性(87)は「普段の週末よりも静か。道路も車がほとんど走っていない」と驚いた様子。女性は「家の近くで五輪があるのだから、世界から人が集まれればよかった。でも、新型コロナウイルスも怖いので、ホッとした部分もある」と付け加えた。

JR福島駅周辺も大勢の警察官や警備員が配置され、物々しい雰囲気が漂った。しかし、朝の時間帯に行き交うのはサラリーマンや学生が大半で、普段と変わらず足早に通り過ぎていった。客待ちをしていたタクシー運転手、飯野忠さん(72)は「これ以上、新型コロナ(の感染者)が増えても困る。お客は増えていないが、無観客で正解では」と話した。また、派遣の仕事で1日限りの五輪案内係に従事していたという青森市の50代女性は「駅が静かでびっくり。もう少し人がいると思った」と拍子抜けした様子だった。

始球式に立ち合った後、報道陣から無観客試合の感想を問われた福島県の内堀雅雄知事は「スタンドを見て複雑な思いがあった。本来あるべき熱気は薄かった」と話した。

宮城
東京五輪のサッカーの試合開催に合わせ、都市ボランティアによる東日本大震災の語り部活動が行われた=21日、仙台市宮城野区(石崎慶一撮影)
東京五輪のサッカーの試合開催に合わせ、都市ボランティアによる東日本大震災の語り部活動が行われた=21日、仙台市宮城野区(石崎慶一撮影)

女子サッカーの2試合が有観客で開催されたキューアンドエースタジアムみやぎの最寄りのJR利府駅周辺では、ボランティアらの姿が目立った一方、第1試合の開始約1時間前でも観客はまばらで、熱気に乏しい雰囲気だった。

涌谷町から来た自営業の男性(75)は「有観客で実施するのはよかった」としつつも、「県と市で見解が異なるなど、判断が遅い」と自治体の対応を非難した。また、仙台市から来たという高校1年の女子生徒2人は「有観客か無観客かでハラハラした」と話し、有観客での開催に安堵した表情を浮かべた。

キューアンドエースタジアムみやぎでは1万人を上限に計6日間で10試合が行われるが、県によると、この日販売されたチケットは約6千枚。駅前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性(50)は「シャトルバスを使う人も多く、客足はさほど期待できない」とあきらめ顔だ。

会場は2002年のサッカーワールドカップ(W杯)日韓大会の決勝トーナメントの日本-トルコが行われた舞台。利府駅近くでおでん屋を営む男性(47)は「(その当時と比べて)熱気がない」と率直な印象を語る。

同店は普段は午前0時まで営業するが、県などが新型コロナウイルス対策で観客に直行直帰を呼びかけていることを受け、21日は午後9時に閉店するという。男性は「(売り上げも)思ったより増えそうにない」と渋い表情を浮かべた。

(芹沢伸生、大柳聡庸)

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