都議会自民は連立で「パンドラの箱」あけるか

7月4日の東京都議選で都議会の勢力図は一変したが、単独で過半数を獲得した政党はなく、都議会の主導権をめぐる主要政党による思惑が交錯する。第1党を奪還した自民は一体どこと組むのか。議会運営は単独ではたち行かないが、連立相手によっては「パンドラの箱」をあけてしまうことになりかねない。

根強い「都民ファ」憎し

自民は国政で連立を組む公明党に加え、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」に触手を伸ばし、3党による過半数維持をもくろむ。ただ、都議選で争った都民ファへの反発は自民内でも根強く、小池氏の国政復帰待望論もあいまって、一筋縄にいきそうにない。

このため、国政とはねじれるものの、立憲民主党と組むという「ウルトラC」もささやかれている。

今回の都議選で自民は33議席を獲得し第1党に返り咲いたが、公明の23議席と合わせても都議会過半数の64議席に及ばなかった。ある自民都議は自公主導の都政運営に向け、「同じ保守系の都民ファとの連携が必要」と指摘する。31議席を確保した都民ファを巻き込めば、安定した勢力を形成できるとの見通しだ。

とはいえ、小池氏が都議選最終日に電撃的に都民ファ候補の応援に駆け付け、情勢が一変したとの見方もあり、その影響で当落線上からこぼれ落ち、惜敗した候補も少なくない自民内には「都民ファ憎し」の声もある。

それだけに別の自民都議は「国政の勢力図とは逆行するが、議席を上積みした立民との連携もあり得る。地方議会ではよくあること。次期衆院選もあるが、都議会は国会議員のためにあるんじゃない」と漏らし、都民ファを揺さぶる。

「国政と都議会は別もの」

その立民は次期衆院選を控え、都議選同様に共産党と連携を続ける構えにもみえる。だが、ある立民都議は「都議選で共産と連携したことで、取り逃した票もある。都政を前に進められるならば、連携相手を共産に固定する必要はない。国政と都議会は別もの」と、自民はじめ他党との連携の可能性に含みを持たせる。

これに対し、公明は立民との連携に慎重だ。ある公明都議は「立民との連携は考えにくい」と牽制(けんせい)した上でこう明かす。「立民も国政で対決する自民と連携すれば、都政で『ねじれ』現象が生じるだけにそう簡単にはいかないだろう」

主要各党の思惑が複雑に絡む中、都民ファは「今後も小池氏との連携方針に変わりはない」との立場を堅持する。

だが、肝心の小池氏といえば、自公関係者が「自民、公明、都民ファの3党による過半数維持に向けた調整役を小池氏に期待しているが、動く気配が感じられない」と嘆くように静観を決め込んでいる。対応を誤れば「頭の片隅にもない」と言い切る国政復帰に影響しかねないとの思惑もあるようだ。

小池氏どう動く

新しい勢力図の下で論戦が本格化する第3回定例会は、9月に開会予定だ。秋までに行われる衆院選と時期が重なる可能性もあり、国政復帰がささやかれる小池氏が議会対策から距離を置く可能性もある。

「小池氏が国政復帰を狙っているならば、このまま都民ファとの調整役になることを期待できないかもしれない。都議会運営は難しいものになる」(自公関係者)

単独過半数を獲得した政党がない都議会で、各政党が異なる政策や理念をよそに数合わせに終始すれば、野合批判を浴びる可能性もはらんでおり、混乱は避けられそうにない。(植木裕香子)