シャーマン米国務副長官は21日、東京都内で日本メディアと会見し、中国の台湾統一に向けた圧力が強まっていることについて懸念を表明し、政治や経済で米台関係の強化を図っていく考えを示した。
シャーマン氏は、バイデン米政権の中国対応について、歴代米政権が踏襲してきた「一つの中国政策」を維持するとした上で、米国の台湾関係法をあげて台湾と安全保障面でも協力を進める方針を強調した。
中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権侵害や香港での民主派弾圧に関しては、「人権問題についてはっきりと主張し続けていく」と述べ、中国に対する非難や制裁措置を続ける意向を示した。中国の人権状況に「非常に強い懸念を抱いている」と語り、共産党政権を批判した。
途絶えている米朝協議については「米国側の準備はできており、北朝鮮の返答を待っている」と説明。北朝鮮の非核化合意に向けた道のりは「長い工程になる」との認識を示した。
シャーマン氏は、日本に続いて韓国とモンゴルを訪問し中国をにらんだ2国間協力などを協議する。(坂本一之)