福島県営あづま球場(福島市)で21日に行われた東京五輪ソフトボール開幕戦の始球式では、東京電力福島第1原発事故の被災地出身で、同県いわき市立平第三中3年の桑原真愛さん(15)が投手を務めた。大役を終え「東日本大震災で厳しい状況だったが、福島県で復興の五輪が開催されたことに感謝して投げた」と目を輝かせた。
桑原さんは一時全町避難した同県富岡町出身。「最初は緊張したが、みんなから守られている感情になり冷静になれた」と振り返った。
捕手を務めたいわき市立泉中3年宮田妃乃さん(14)は「役目を果たせたと思う」と、ほっとした様子。福島が事故後、風評被害に苦しんだことに触れながら「五輪(の舞台)に立たせてもらい感謝している」とした。