兵庫で共闘勝利の自維連携強化 自民大阪府連は警戒

菅義偉首相との面会を終え記者団の取材に応じる斎藤元彦氏=21日午前、首相官邸(春名中撮影)
菅義偉首相との面会を終え記者団の取材に応じる斎藤元彦氏=21日午前、首相官邸(春名中撮影)

自民党と日本維新の会が18日の兵庫県知事選を異例の共闘で制したことに自民大阪府連が警戒を強めている。本拠地の大阪以外で初めて知事を誕生させた維新が次期衆院選に向け勢いを増す公算が大きくなったためだ。菅義偉首相(自民総裁)は維新の松井一郎代表(大阪市長)らと太いパイプがあり、国会での連携が強化されれば、府連の孤立が深まる可能性もある。

自民と維新の推薦で兵庫県知事選に勝利した斎藤元彦氏は21日、官邸で首相と面会し、記者団に「『しっかり頑張ってくれ』と激励していただいた」と説明した。自民本部では二階俊博幹事長から励ましの言葉をかけられた。

兵庫での勝利は、今年に入り山形、千葉、静岡各知事選を落とした自民にとって久々の吉報となった。阪神地域で人気が浸透している維新との共闘の成果とはいえ、自民幹部からは「今後の選挙に向けた弾みになる」(山口泰明選対委員長)と安堵(あんど)の声が漏れた。

だが、維新と大阪で対決してきた大阪府連の受け止めは大きく異なる。ある中堅は「維新は首長を押さえることで勢力を拡大してきた。この10年間で大阪で起きたことが兵庫でも起こるだろう」と述べ、ライバルの勢力拡大を警戒する。

府連の懸念材料は「改革意識」を共有する首相と維新との蜜月だ。無派閥の首相は自民内の基盤が弱い一方、維新には「自分たちこそが菅派」と語るメンバーがいる。維新幹部は新型コロナウイルス対策などが批判されて苦境に直面していても首相との信頼関係は揺らがないと強調。「大阪都構想の実現など統治機構改革が保証されれば連立もあり得る。維新の値打ちは人を裏切らないことにある」と語った。

内閣支持率が低迷する中、次期衆院選で自民の勢力が後退する事態となれば、自公両党に維新を加えた連立論が勢いを増し、府連の意見は反映されにくくなる可能性がある。大阪選出の自民ベテランは「維新を応援するようなことがあれば『反党行為』だ」と強い口調で首相を牽制(けんせい)した。(永原慎吾)