ペルー次期大統領、中国大使にワクチン協力を要請

19日、ペルーの首都リマで勝利を祝うカスティジョ氏(ロイター=共同)
19日、ペルーの首都リマで勝利を祝うカスティジョ氏(ロイター=共同)

6月6日の南米ペルー大統領選の決選投票で、選挙管理当局は19日、急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)の勝利を発表した。これに先立ち日系3世の中道右派ケイコ・フジモリ氏(46)は「結果を認める」と敗北を受け入れる意向を表明。カスティジョ氏は新型コロナウイルス感染症の収束に向け中国に支援を求めており、ペルーの左傾化が進みそうだ。

カスティジョ氏の任期は28日からの5年間。選挙戦では、新型コロナの感染拡大に伴う経済的打撃が広がる中、医療や教育の充実を訴え、地方の貧困層の支持を獲得。都市部の富裕層の票を集めたケイコ氏を得票率0・26ポイント差で上回った。

19日の勝利演説では「国民の団結」を訴え、ケイコ氏に対しても「国を前に進めよう」と協力を求めた。

ただ、マルクス主義や、キューバやベネズエラなど反米左派政権への共感を公言し、国民の間には「ペルーから民主主義が消える」との危機感が根強く残る。

15日には首都リマにある数ある大使館の中から、中国を初の訪問先に選び、経済再建に向け梁宇大使に新型コロナワクチンの迅速な供給を要請。ツイッターに「両国間の兄弟・協力関係を優先する」と投稿した。

一方のケイコ氏は、憲法改正を目指すカスティジョ氏を「共産主義の独裁体制を築くつもりだ」などと批判したが、及ばなかった。

また、集計作業に不正があったとして一部票の無効化を求めた訴えは、ほとんどのケースが却下された。

ケイコ氏は2011年と16年の大統領選の不正献金にからむ資金洗浄などの罪で禁錮30年10月を求刑されている。今後、大統領在任中の人権侵害罪で服役中の父アルベルト・フジモリ元大統領(82)と同様に収監される可能性もある。(ニューヨーク 平田雄介)