サンゴ礁を海底散歩 愛媛・高茂岬

サンゴや魚を見ることができる「シーウォーカー」(提供)
サンゴや魚を見ることができる「シーウォーカー」(提供)

岬にはロマンがある。地元の人には当たり前の風景であっても、初めて来た者にとってはこの上もない驚きの連続だ。愛媛県最南端、愛南(あいなん)町の高茂岬(こうもみさき)はサンゴの海が広がる絶景の地。第二次世界大戦の過酷な本土防空戦に散った戦闘機にも巡り合い、ため息が止まらなかった。

愛南町の中心部にある「道の駅みしょうMIC」から高茂岬に向けて車で15分ほど走ると到着するのが「瀬ノ浜観光船待合所」。大きな窓から海底が見える観光船「ユメカイナ」と「ガイヤナ」が運航されている。海水浴やシュノーケリングができる無人島・鹿島への渡船もここから出航する。

7月17日から、潜水士のようなヘルメットをかぶり、空気を送り込んでもらいながら水深約6メートルの海底を散歩する「シーウォーカー」もスタート。観光船やマリンレジャーを手掛ける「西海(にしうみ)観光船」の高橋翔さん(39)は「水の中で呼吸してみてください。サンゴもあるし、ソラスズメダイやクマノミも見られます。運が良ければキビナゴの大群に囲まれ、それを狙うカンパチが現れることもあります」。

スキューバダイビングのインストラクターでもある高橋さんは東京都出身。以前はスタジオミュージシャンをしていたが、平成25年に妻と四国旅行をして愛南町に魅了された。「船に乗ってみた海がきれいだった」。ダイビングの上級ライセンスを取得して28年に同町に移住し、今年4月、西海観光船の指定管理者になった。とにかく海が大好きなのだ。

沖では、数百メートルもサンゴが続いているという。「お花畑と呼んでいます。ダイビングはちょっとの工夫で視点が変わり、海の見え方が変わり、楽しめる」。高橋さんはほほ笑んだ。

海底にあった戦闘機

高茂岬に建つ「紫電改展示館」。紫電改のプロペラは、着水時に折れ曲がったままだ=愛媛県愛南町
高茂岬に建つ「紫電改展示館」。紫電改のプロペラは、着水時に折れ曲がったままだ=愛媛県愛南町

ここから愛南町の中心部に向かう途中には「紫電改(しでんかい)展示館」もある。小さな体育館のような建物だが、戦闘機「紫電改」が、付近の海域に不時着水したときの姿で展示されている。

紫電改は海軍第三四三航空隊に配属された当時の最新鋭機だった。昭和20年7月24日、豊後水道上空で米軍機と交戦し、未帰還となった6機のうちの1機とみられるという。53年11月、愛南町久良湾の水深約41メートルの海底に眠っているのを地元のダイバーが見つけた。