新型コロナウイルスのワクチン接種について、首都圏の住民で「もう少し様子を見たい」と考える人が23・8%となり、20、30代の女性では約4割に上ることが20日、国際医療福祉大が実施したアンケートで分かった。「接種したいとは思わない、したくない」とする人は全体の17・0%だった。接種に消極的、否定的な考えを持つ人の約7割は、「副反応の心配」を理由に挙げており、不安に対して医療従事者らが丁寧な説明の場を設けていくことが必要になりそうだ。
調査は和田耕治教授(公衆衛生学)が実施。7月、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県に住む医療従事者ではない20~60代の男女3129人からインターネット上のアンケートで回答を得た。
新型コロナワクチンを「できるだけ早く接種したい、既に1回以上接種した」のは57・3%。世代・男女別では60代が最高で、男性が84・4%、女性が74・0%だった。世代が下がるにつれて減少し、20代では男性45・9%、女性39・7%。「もう少し様子を見たい」との回答は若年層で高く、男性は20代が27・0%、30代が26・2%で、女性は20代38・7%、30代39・0%だった。
「様子を見たい」「接種したいと思わない、したくない」人は副反応の心配を理由に挙げる人が多く、女性は20~60代の各世代で7割を超えた。
和田教授は「副反応は女性で多い傾向にあるが、程度や対処方法などについてきちんと説明していく必要がある。医療機関での診察時、各診療科で医師や看護師が個別に『ワクチン接種しましたか』と呼びかけ、まだであれば、その理由をひもといて接種に誘導していくことも大切だ」と指摘した。
一方で「(連絡を取れる)知り合いが接種を済ませた」と回答した人のうち64・0%が「早く接種したい」「1回以上接種した」と回答。接種済みの知り合いがいない人の35・8%を大幅に上回った。
和田教授は「接種について日常の会話で話題にし、接種を迷っている人がいたら、体験談を伝えるなどしてほしい。様子見と思っている人をどれだけ接種につなげられるかが、今後の接種拡大のカギを握る」との見方を示した。