浪速風

こんな時こそ文化の力を

花を生ける池坊専好次期家元。コロナ禍こそ文化の力が必要だ
花を生ける池坊専好次期家元。コロナ禍こそ文化の力が必要だ

観客は会場の半分しか入れられない。その座席さえ自粛ムードで埋まらない。文化・芸能の世界もまた、コロナ禍で長期間、打撃を受けている業界だ。が、こんな時こそ力を結集し、後世に残る舞台を創ろうという動きもある。8月1日、金剛能楽堂(京都市上京区)で行われる能「花軍(はないくさ)」がそれである

▶5人の花の精が花の位を争う華やかな曲で、京都で上演されるのは実に約百年ぶり。今回は特に「能と花の華麗な世界」と銘打ち、華道池坊の池坊専好・次期家元が曲にまつわる話をし、自らのいけばなで能舞台を飾る。その中で能役者らが舞う趣向だ

▶「次世代へつなぐ」とも副題がついているのは、金剛流の金剛永謹(ひさのり)・二十六世宗家の孫ら4人が花の精(子方)となるから。池坊にとっても金剛流にとっても異例の舞台は、コロナ禍だからこそ文化の力で社会を勇気づけようという着想から生まれた。コロナには負けへんで、という声が聞こえるようだ。