21日から東京五輪の競技が始まるのを前に、新型コロナウイルスの感染者が選手から出た場合の「リスク管理」という課題が改めて突きつけられている。22日にサッカー男子1次リーグ初戦で日本と対戦する南アフリカの選手ら3人の感染が確認され、一時21人が濃厚接触者と認定された。大会組織委員会は「条件を満たせば試合や練習は可能」としているが、濃厚接触者の扱いには不透明な部分も多い。安心安全な大会を目指す運営側は今後も難しい判断を迫られそうだ。
組織委などによると、感染したのは選手2人とスタッフ1人。濃厚接触者は当初21人だったが、保健所による追加調査で20日に3人が除外された。感染者はすでに選手村外の宿泊療養施設に移動。濃厚接触者は村内の個室で過ごし、食事や飲み物はスタッフが部屋まで運んでいるという。
東京都では、濃厚接触者は感染者と接触した日の翌日から14日間は、PCR検査の結果が陰性であっても健康観察と外出自粛を求めている。ただ大会側は今回、個室で過ごし、食事も自室で1人で食べる▽専用車両で移動▽6時間前のPCR検査で陰性-といった条件を満たせば、試合や練習への参加を認めるとする特例措置を設けた。
このため南アの選手らは18日は練習を控えたものの、19日には千葉市内で練習を再開した。東京五輪のサッカー競技は各チーム22人の登録選手枠から試合ごとに18人を選ぶ形で行われ、試合実施には最低13人が必要。22日の日本戦に南アが出場できるかどうかは、大会側が特例措置の条件に基づき判断することになる。