茂木外相が中米歴訪 中国にらみ対面外交加速 - 産経ニュース

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茂木外相が中米歴訪 中国にらみ対面外交加速

中米・カリブ海諸国を歴訪中の茂木敏充外相は19日(日本時間20日)、最後の訪問国となるジャマイカを訪れた。中米・カリブは台湾と外交関係を持つ国が多いが、中国が新型コロナウイルスワクチンの提供などを通じて影響力を拡大している。茂木氏は積極的な対面外交を行い、各国との連携を強化する考えだ。

日本の外相がジャマイカを訪問するのは初めて。茂木氏はホルネス首相との面会や、ジャマイカなど14カ国が加盟するカリブ共同体(カリコム)の外相とのオンライン会議などを行う。「小さな国が多いが、国連などで一緒に行動したり、日本の投票行動に支持してもらったりするうえで極めて重要」(茂木氏)だからだ。

米国の「裏庭」と呼ばれる中南米だが、中国が積極的な投資や貿易を通じて存在感を増している。コロナ禍でも自国製ワクチンの提供と引き換えに台湾と外交関係のある国に断交を迫るなど攻勢をかけている。

外務省によると、中南米・カリブで台湾を承認しているのは9カ国。茂木氏が最初に訪れたグアテマラもその一つで、16日(日本時間17日)のブロロ外相との会談ではワクチン提供要請を受け、検討する考えを示した。滞在中はグアテマラなど8カ国が参加する中米統合機構(SICA)の外相らとのオンライン会合も行った。

外務省幹部は「(中米・カリブは)日本の外交にとってフロンティア。単なる友好ではない戦略的な外遊にしたい」と強調する。

茂木氏の外遊は中国を牽制(けんせい)する意味合いもある。中国の王毅国務委員兼外相が今年に入ってアフリカや東南アジア、中東などを訪れ、取り込みを図っているからだ。一方、ブリンケン米国務長官も欧州やアジアを訪問し、トランプ前政権下で悪化した同盟国との関係修復や対中包囲網の構築を急ぐ。

国連人権理事会で日本や欧米などが中国の人権状況に懸念を表明しても、それを上回る数の国が中国を擁護するのが国際社会の現実だ。別の幹部は「日本の外相が直接会って、中国などに対する認識をすり合わせる意味は大きい」と対面外交の重要性を語る。(田村龍彦)