パナが中国で高齢者向け住宅事業を本格化

パナソニックが、中国江蘇省宜興市に開設した高齢者向け住宅のショールーム。センサー技術などを使い居住者に最適の睡眠環境を提供する機器などが展示されている=19日(三塚聖平撮影)
パナソニックが、中国江蘇省宜興市に開設した高齢者向け住宅のショールーム。センサー技術などを使い居住者に最適の睡眠環境を提供する機器などが展示されている=19日(三塚聖平撮影)

【宜興=三塚聖平】パナソニックは19日、中国江蘇省宜興(ぎこう)市に高齢者向け住宅のショールームを開設したと発表した。中国でも急速な高齢化が進む中、新たに拠点を設けて高齢者向け住宅関連事業へ本格的に取り組む。同社が強みを持つ健康家電などを武器に、成長が見込まれる高齢者向け事業を積極展開する方針だ。

ショールーム「パナソニック健康スマート生活館」は、中国で養老事業などを展開する「雅達(がたつ)」が宜興に建設した高齢者向けスマートタウンに新設した。パナソニックが手掛ける住宅設備や家電などを展示し、協業相手や納入先の獲得につなげる拠点とする。

雅達は、用地面積約400万平方メートル(東京ドーム約80個分)の敷地内に、パナソニックの設備を全面的に導入した住宅を集めた区画「雅達・松下社区」を整備。約30万平方メートルに計1170戸を展開する。既に販売開始した173戸は完売し、年内に入居が始まる予定だ。同社と雅達は、2019年に戦略協業提携をしている。

パナソニックは、高齢化が先に進む日本で培ったノウハウを活用し、中国で健康・養老事業を拡大させる。同社の社内カンパニー、中国・北東アジア社(CNA)の本間哲朗社長は19日に宜興で記者会見し「街全体で健康な生活を実現するスマートタウン作りを目指す」と述べた。本間氏はまた、CNAの中国地域の売上高が20年度に前年度比16%を達成し、21年度は19年度比25%増を目指すと明らかにした。

中国では、日本と同様に高齢者人口の増加が顕著だ。20年の国勢調査で60歳以上は2億6402万人で、総人口に占める割合は18・7%だった。10年の前回調査と比べ5・44ポイント上昇し、昨年10月には今後5年以内に高齢者人口が3億人を突破するとの試算を政府が発表。中長期的に関連ビジネスの成長が確実視されている。