韓国駆逐艦で247人が感染 ワクチン接種なし

新型コロナウイルスの集団感染が確認された韓国海軍の駆逐艦(聯合=共同)
新型コロナウイルスの集団感染が確認された韓国海軍の駆逐艦(聯合=共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国政府がアフリカ東部に派遣している海軍の駆逐艦内で、乗組員の8割以上が新型コロナウイルスに感染したことが分かった。韓国軍によると、19日までに乗組員301人のうち、247人が陽性と判定され、陰性は50人だった。韓国政府は、乗組員全員を緊急帰国させることを決めた。

乗組員は1人もワクチン接種をしておらず、政府の対応の遅れが集団感染につながったとして、韓国内で批判が高まっている。

駆逐艦は、海賊から韓国船を保護する目的で今年2月にソマリア沖のアデン湾に派遣され、8月中旬に別の駆逐艦に任務を引き継ぐ計画だった。今月初めに風邪のような症状を訴える乗組員が出始めたが、当初、簡易の抗体検査では陰性で、対応が遅れた。

政府は、医療陣や駆逐艦の運航を引き継ぐ要員を乗せた軍の輸送機2機を現地に向かわせた。全ての乗組員は任務を切り上げ、この輸送機で帰国する。

艦船は密閉した空間なため、米国や英国の空母で集団感染が起きるなど、感染症に脆弱(ぜいじゃく)だと指摘されてきた。韓国軍は、派遣途中のワクチン接種は難しかったと釈明している。