兵庫県知事選 「県政刷新」に求められる具体論

兵庫県知事で当選を確実とし、報道陣の質問に答える斎藤元彦氏(右)。今後は具体論を語ることが求められる=18日午後9時38分、神戸市中央区(彦野公太朗撮影)
兵庫県知事で当選を確実とし、報道陣の質問に答える斎藤元彦氏(右)。今後は具体論を語ることが求められる=18日午後9時38分、神戸市中央区(彦野公太朗撮影)

昨今の新型コロナウイルス禍において、感染症対策に強い権限を持つ都道府県知事の責任は増している。そんな中で兵庫県民が20年ぶりの新リーダーに選んだのは、「若さ」と「変化」をアピールした斎藤元彦氏だった。5期務めた現職、井戸敏三氏がコロナ対応で批判を浴びる中、有権者が43歳の新人に託したのは、県全体を覆う閉塞(へいそく)感の打破だったろう。

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もっとも、「県政刷新」を掲げる斎藤氏の演説は抽象的なフレーズが目立ち、具体性を欠いた印象は否めない。官僚出身の経歴は井戸氏と共通、県政与党の自民が支えてきた井戸氏の行政運営についても思いのほか高評価を与えており、斎藤氏の訴える新たな県政とは何か、実はそれほど明確ではない。

保守分裂選挙になったとはいえ、実質的には自民党本部の推薦と、ボリュームゾーンの阪神間で急速に存在感を増す維新の支持を取り付けた時点で、大勢は決していたともいえる。

この選挙期間中に、コロナの感染者数は再び増加傾向に入った。一方、長引く時短で収益が減少している飲食業界は県に営業時間の延長を要望、「限界」の声があちこちから聞こえる。人命を最優先としつつ、緊張と緩和の迅速な判断が問われる〝有事〟の知事。その役割を期待された斎藤氏には具体論こそが求められている。(倉持亮)

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