翔タイム!大谷

大リーグはいま「SHOW TIME」で動いている!?

投打の二刀流でオールスター戦に初出場したエンゼルスの大谷=デンバー(USA TODAY)
投打の二刀流でオールスター戦に初出場したエンゼルスの大谷=デンバー(USA TODAY)

米大リーグは真夏の祭典オールスター戦を終え、後半戦に突入した。だが、この1試合を境にエンゼルスの〝二刀流〟大谷翔平選手(27)を取り巻く環境は大きく変化した。それは100年以上の歴史を歩んできた大リーグを動かしつつあるといっていい。そのいくつかを探ってみた。

7月14日にコロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで行われた第91回オールスター戦は、本格的に二刀流でプレーする大谷のために、ルールを変えてまで実施された。

「1番・指名打者」でラインアップに名を連ねた大谷。本来のルールでは投手としてマウンドに上がれば、指名打者の権利は消滅し、降板後に再び打席に入ることはできなかった。

そこでア・リーグを率いるキャッシュ監督は、オールスター戦での大谷の起用について、エンゼルスのマドン監督と対応を協議。二刀流を可能にさせる策を練り、マンフレッド・コミッショナーの了承を取り付けたとされる。キャッシュ監督は「私は機構に試合のルールを微調整するように頼んだ。そうしなかった場合は、残りの試合を台無しにすることが分かっていたからだ」と明かす。

まさに大谷のための規則変更。これにより、大谷は指名打者で打席に入った後、先発投手を務め、またバットを握ることができた。米全国紙「USA TODAY」は「極めてまれなことだ」と述べている。

そもそも〝大谷ルール〟ともいうべき規則の変更は、今季から野手、投手とは別に二刀流のカテゴリーを設定したことの延長線上にあり、オールスター戦での特別ルールの適用は大リーグ機構にとって難しいことではなかった。新型コロナウイルス禍で推定30億ドル(約3300億円)の損害を受けたとされる大リーグで「ベーブ・ルース以来の快挙は、いま最も経済的に影響力を持つ選手」(ニューヨーク・ポスト紙)ともされる大谷の存在はきわめて重要だ。

会員限定記事会員サービス詳細