日本上陸70年、暑さを忘れる絶品ソフトクリーム

ラ・テール洋菓子店の「自家製コーンの無添加ソフトクリーム」。こだわりはコーンまで(酒巻俊介撮影)
ラ・テール洋菓子店の「自家製コーンの無添加ソフトクリーム」。こだわりはコーンまで(酒巻俊介撮影)

ひんやり、なめらかなソフトクリームは、大人も童心にかえって楽しめるスイーツ。ソフトクリーム総合メーカーの日世(大阪府茨木市)によると、日本上陸は70年前の昭和26年。7月、連合国軍総司令部(GHQ)が明治神宮外苑(東京都新宿区)で開いた独立記念日の前夜のカーニバルで初めてコーンに盛って販売され、以降、人々に愛されてきた。進化を深めた味わいを求め、人気店が集まる東京・池尻エリアを訪ねた。(本江希望)

東京都世田谷区池尻にあるラ・テール洋菓子店で春から秋の季節限定で販売される「自家製コーンの無添加ソフトクリーム」(378円)は、ジェラートのようにやわらかいがシャリっとした食感。口に入れるとすぐに溶け、爽やかなミルクの風味が口に広がる。

オホーツク海に抱かれた緑豊かな北海道興部(おこっぺ)町の牧場でのびのびと放牧され、牧草のみを与えて育てる「グラスフェッド」で育った牛の牛乳を使う。

ラ・テール洋菓子店の「自家製コーンの無添加ソフトクリーム」は素材を生かし、コーンまでおいしい。「日によって異なる味わいや食感を楽しんで」と開発したバクサ裕子さんは話す =東京都世田谷区(酒巻俊介撮影)
ラ・テール洋菓子店の「自家製コーンの無添加ソフトクリーム」は素材を生かし、コーンまでおいしい。「日によって異なる味わいや食感を楽しんで」と開発したバクサ裕子さんは話す =東京都世田谷区(酒巻俊介撮影)

開発に携わったシェフのバクサ裕子さん(51)によると、材料はこの牛乳と、北海道産のてんさいで作られたビートグラニュー糖、安定剤の代わりとなる脱脂粉乳の3つのみ。脂肪分を加えないため、すっきりとした牛乳本来の風味を味わうことができる。

ソフトクリームを盛るコーンにもこだわる。パティシエとしてドイツでも10年、経験を積んだバクサさんが手がけたコーンは、「ヒッペンマッセ」というこんがりと手焼きされたドイツ菓子の生地で、カリっとした歯応えが特徴。底には、ソフトクリームが溶け出さないようにスポンジケーキが詰められている。

その味わいには男性のファンも多いという。バクサさんは「ラ・テールのコンセプトでもある『あるがまま』のおいしさを目指し、あえて(味わいを)均一化しようとはしていない。日によって異なる味や食感も楽しんでいただけたら」と話す。

「クラフト チョコレート ワークス」の「ミックス」ソフトクリーム。チョコに使うカカオ豆は週により替わるという(クラフト チョコレート ワークス提供)
「クラフト チョコレート ワークス」の「ミックス」ソフトクリーム。チョコに使うカカオ豆は週により替わるという(クラフト チョコレート ワークス提供)

同じく池尻にある「クラフト チョコレート ワークス」は、店内でカカオ豆の焙煎も行うチョコレート専門店。素材にこだわった無添加のソフトクリームを供する。

ソフトクリームは「カカオ」(700円)、「ジャージーミルク」(600円)、「ミックス」(650円)の3種類。香川県にある大山牧場のジャージー牛乳をベースに、砂糖、安定剤の代わりに寒天を使用。チョコレートに使うカカオ豆は、週替わりで変更になるという。

「(チョコレートには)甘みやフルーツ感、スパイシーさなど、(カカオ豆の)産地ごとに個性があります。ぜひその違いを味わってほしい」と代表の竹内誠太さん(33)。

取材した日は、ナッツのようなコクとやさしい甘さが特徴のコスタリカ産のカカオ豆を使ったチョコレートを使用。大山牧場のフレッシュなミルクと、チョコレートのおいしさが同時に味わえるミックスは、大人にも好まれそうな香りの高さで、ささやかなぜいたく気分も味わえた。

これからの季節、冷たく甘い味わいは、暑気で疲れた心身を優しく癒やしてくれそうだ。