千葉「正論」懇話会詳報 田久保氏「仮面捨てた中国 危険な存在」

こうした中で日本は米国と歩調を合わせていく必要があるが、田久保氏は、米国の抱える課題も指摘した。とかく話題の多いトランプ氏が大統領に当選した背景には、中産階級の貧困化など貧富の差の異常なまでの拡大や、米人口に占める割合が減り続けている白人が募らせる危機感があるという。「トランプ氏の人気は依然として高く、復活の動きが活発になっている」として、米国民の〝分断〟が今後、より深刻化する懸念を指摘した。

一方、バイデン氏が大統領就任前に書いた論文を紐解き、〝バイデン・ドクトリン〟は「中国などの専制主義に対抗し、米国の民主主義を甦らせることだ」と説明。すでに先進7カ国(G7)や北大西洋条約機構(NATO)の会議などの場で民主主義国家の結束を強めているという。

菅義偉首相は4月の日米首脳会談でバイデン大統領に防衛力強化を約束したが、具体策を打ち出せなければ米政府を怒らせることになるかもしれない、と指摘。日米に必要なのは「二人三脚」で、「責任を分担することになる」と、日本が今後、具体的な防衛努力を求められるという見通しを語った。


(田久保忠衛氏略歴)

たくぼ・ただえ 杏林大名誉教授、日本会議会長。昭和8年、船橋市生まれ。早大卒業後、時事通信社のワシントン支局長、外信部長、杏林大教授などを歴任。「ニクソンと対中国外交」「戦略家ニクソン」など著書多数。産経新聞「正論」執筆者で、平成8年には正論大賞を受賞。月刊「正論」で巻頭コラム「激流世界を読む」を執筆している。

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