千葉「正論」懇話会詳報 田久保氏「仮面捨てた中国 危険な存在」

田久保忠衛氏
田久保忠衛氏

12日に千葉市美浜区のホテルニューオータニ幕張で開催された千葉「正論」懇話会(会長・千葉滋胤千葉商工会議所顧問)の第72回講演会。産経新聞「正論」執筆者で船橋市出身、同市在住の田久保忠衛・杏林大名誉教授(88)が、「激動する国際情勢と日本」と題し、熱弁を振るった。時事通信社ワシントン支局などで大国の外交を最前線で取材した経験に裏打ちされた講演に、来場者は熱心に耳を傾けていた。

今回は千葉正論懇話会の設立20周年記念講演として行われた。第1回となる20年前の設立講演でも、田久保氏が壇上に上がった。田久保氏は、「20年前の中国はちょうど、頭をもたげていた頃だったが、ガラッと変わった。自由世界全体から危険視される怪物のような存在になった」と振り返った。

中国は鄧小平が言ったとされる「韜光養晦(とうこうようかい)」、つまり、低姿勢で実力を隠しながら力を蓄えるという〝仮面〟をかなぐり捨てた。

そのきっかけになった事例として田久保氏が挙げたのは、2005年に当時の米国防副長官が「ステークホルダー(利害関係者)になってほしい」と中国に呼びかけた演説だ。この返答として、中国の高官が外交専門誌に「ピースフル・ライズ・オブ・チャイナ(中国の平和的台頭)」という題の論文を書いたという。両国の〝歩み寄り〟を振り返った田久保氏は、「すばらしいことだと思ったが、それは大きな間違いだった」と話した。中国は次第に領土や海洋権益への野心を露わにし、少数民族への弾圧や香港での言論の自由制限などを次々と打ち出した。

習近平国家主席については、「就任以来、汚職追放という名目で政敵を消していった。来年の党大会では同世代のライバルは定年でいなくなり、言いなりになる人間で政治局を固められるようになる。大変危険な状況にある」と述べた。