【深層リポート】宮城発 被災地のサツマイモ 香港へ本格輸出へ(1/2ページ) - 産経ニュース

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深層リポート

宮城発 被災地のサツマイモ 香港へ本格輸出へ

「やまもとファームみらい野」の畑で行われたサツマイモの苗の植え付け作業=6月、宮城県山元町(石崎慶一撮影)
「やまもとファームみらい野」の畑で行われたサツマイモの苗の植え付け作業=6月、宮城県山元町(石崎慶一撮影)

東日本大震災で被災した宮城県山元町産のサツマイモが、今年11月から香港へ本格的に輸出されることになった。東北経済連合会(東経連、仙台市)が、九州経済連合会(九経連、福岡市)と連携して取り組んできた東北・新潟産品輸出事業の成果だ。被災地の生産者にとっては販路拡大で復興の弾みとなり、東経連は地域の農産品の輸出拡大につなげたい考えだ。

好評に手応え

輸出するのは山元町の農業生産法人「やまもとファームみらい野」が丹精込めて作ったサツマイモ。九経連が主導して平成27年に設立した商社「九州農水産物直販」(九直、福岡市)を通じて輸出し、香港の小売り大手「デイリーファームグループ」の店舗で販売する。

九直によると、香港ではサツマイモがおやつとして人気。今年2月と4月、みらい野が生産したサツマイモ計約6トンを香港に輸出して販売した際、現地では「甘くて、おいしい」と好評で、関係者は手応えを感じていた。

土づくりから

山元町は震災の津波で約6割の農地が浸水被害を受けた。被災した農家らが27年にみらい野を設立。被害を受けた土地を開墾して土づくりから始め、その畑地でタマネギやサツマイモなどを栽培している。

ただ、サツマイモは2年前に16ヘクタールに作付けしたものの販路が確立しておらず出荷がふるわなかった。このため昨年は約3分の1の5ヘクタールに栽培面積を縮小せざるを得なかった。

一方、九直は香港で約300店舗のスーパーを展開するデイリーファームグループと取引があり、サツマイモは青果物の輸出品目の約40%を占める主力商品。ところがここ数年、九州の産地などでサツマイモに「基腐(もとぐされ)病」と呼ばれる病害が発生し、輸出先の需要に応じた十分な量を確保できないことが課題となっていた。