【ソウル=時吉達也】在韓国日本大使館は17日、相馬弘尚総括公使が韓国メディアの取材を受けた際に不適切な発言を行ったとして、相星孝一大使から厳重注意を受けたと発表した。韓国のJTBCテレビが16日、日韓問題で韓国側が一方的に駆け引きを行っているとの趣旨から「文在寅(ムン・ジェイン)大統領がマスターベーションをしている」と相馬氏が発言したと報じていた。
韓国外務省は17日、崔鍾建(チェ・ジョンゴン)外務第1次官が相星大使を呼び出し、厳重に抗議したと発表した。23日に開幕する東京五輪を目前に控え、文氏の訪日、開幕式出席をめぐる両国間の調整に影響する可能性がある。
JTBCによると、問題の発言は15日、相馬氏が同社記者と食事を共にした席で出た。相馬氏はその場で発言を謝罪、撤回したという。JTBCは「駐在国の首脳に対し、しかも報道機関の前で性的な表現を使うのは常識的でない」と批判した。
日本大使館は、相馬氏の発言は事実だが、文氏個人に対するものではなかったと釈明。相星大使は「外交官として極めて不適切であり、大変遺憾だ」との立場を明らかにした。