ソウルからヨボセヨ

スパイに乗っ取られた韓国

年配の韓国人と一杯やるとき、「わしゃこれは飲まん!」と拒否される銘柄がある。大衆的な韓国焼酎の代表的銘柄の一つである「チョウム・チョロム(初めてのように、の意味)」だが、その名前とハングルの書体が〝北のスパイ〟の手になるものだから気に食わないのだとか。

聞くと、1960年代末に摘発された非合法地下組織「統一革命党」事件で逮捕され、20年間服役した親北左翼活動家、申栄福(シン・ヨンボク)元聖公会大教授(1941~2016年)の自著の書体だという。

筆書きの独特のくだけた書体で、15年ほど前に焼酎の銘柄に採用され人気を博した。保守派たちは酒席でよく「あれを飲むと、1本あたりいくらかの資金が北に流れるようになっている!」と声を荒らげるがもちろん真偽は不明だ。

焼酎のおかげ(?)で〝申栄福書体〟は有名になりいろいろな所で使われるようになった。特に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が申氏を「尊敬する人物」と公言してきたため、文政権下では大統領官邸内や政府行事でもその書体が頻繁に見られるようになった。

極めつきは北スパイ摘発が仕事の情報機関「国家情報院」玄関の〝院訓〟さえ申栄福書体に書き換えられたことだが、最近、警察庁内部の表示にも登場したという。これ、左翼政権の深刻ないたずら?(黒田勝弘)