韓国五輪委、選手村「反日横断幕」撤去 IOC「五輪憲章違反」指摘

韓国選手団が五輪選手村の居住棟に掲げた応援幕を撤去する関係者=17日、東京・晴海(聯合=共同)
韓国選手団が五輪選手村の居住棟に掲げた応援幕を撤去する関係者=17日、東京・晴海(聯合=共同)

【ソウル=時吉達也】韓国の大韓体育会(韓国オリンピック委員会)は17日、東京五輪選手村の韓国代表団の宿舎に掲示していた横断幕について、国際オリンピック委員会(IOC)から五輪憲章違反の指摘を受け、撤去したと発表した。横断幕は、韓国で「抗日の英雄」とされる李舜臣(イ・スンシン)将軍の言葉をもじった文言が記載された「反日」掲示物として物議をかもしていた。

問題の横断幕は、13日に開村した選手村内の韓国代表宿舎の外壁に大韓体育会が掲示したもので、韓国語で「臣にはまだ5千万人の国民の応援と支持が残っております」と書かれていた。豊臣秀吉による16世紀末の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)で日本水軍と戦った李舜臣の言葉「今臣戦船尚有十二(臣にはまだ船が12隻あります)」を引用した内容だった。

大韓体育会関係者は韓国メディアに対し「日本で開催される大会だけに、選手らの戦意を高める特別なメッセージを用意した」と説明。政治的意図はないと主張し、「日本側が過度に敏感に受け止めているのではないか」と話していた。

しかし、IOCは横断幕に引用された文言が「戦闘に参加した(李)将軍を連想させる」として、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じた五輪憲章50条に違反すると判断した。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は17日の会見で、横断幕撤去に関し「政治的メッセージと捉えられることは控えるべきだ」との見解を示した。