保釈中の本末転倒な再犯「保釈金返済は窃盗で」

起訴後に被告の身柄拘束を解く保釈制度。刑事訴訟法では被告らから保釈請求があった場合、原則として認めなければならないと定めており、近年は裁判所が請求を広く認める傾向が強まっているが、保釈中に別事件で逮捕される被告が後を絶たない。大阪府警は再犯抑止に役立てようと、保釈中の窃盗事件を扱った取調官にアンケートを実施。そこから明らかになった犯行の動機は、大半が身勝手であきれたものだった。

「刑務所に入るまでの金稼ぎ」

「どうせ刑務所に入るんやから、それまでに金を稼がなアカン」。保釈中に窃盗事件を起こし逮捕された男は、大阪府警の取調官にこう言い放った。

府警捜査3課が平成28年1月~30年8月に検挙し、保釈中に再犯をした容疑者を担当した取調官計11人(いずれも30~40代の男性巡査部長)に行ったアンケート。20~50代の男11人から動機について供述を得た。

主な供述は「刑務所に入るまでの金稼ぎ。保釈中に何もせず、貧乏生活するよりマシ」(出店荒らしで逮捕の30代男)▽「刑務所では何かと金がいる。どうせ刑務所に行くんやから、行く前に稼いどけという考えだった」(自動車盗で逮捕の40代男)-などと金銭目的とするものが多かった。

30年に出店荒らしで逮捕された40代男は「残していく嫁や子供にひもじい思いをさせたくないので、まとまった金を残したかった」と家族の生活費のためにやったと供述。その上、刑務所では200万円程度が必要と考えたといい、「房内では(雑誌や新聞などの定期購入といった)金払いの良さで人間の価値が上がる」とも説明した。

また、保釈金の返済のため、保釈中に窃盗事件を繰り返すという本末転倒な被告もいた。「保釈で飛ばした金は何件かの窃盗で稼ぐ」(車上狙いで逮捕の30代男)、「保釈金を人から借りており返済で金が必要だった」(自動車盗などで逮捕の50代男)などと身勝手な動機を語った。

1審判決日に再犯疑い

実際、保釈中の再犯は後を絶たない。府警は4月、車上荒らしを繰り返した40代男を窃盗容疑で逮捕。この男は別の窃盗事件で令和元年7月に逮捕されていたが、昨年1月に保釈が認められた。その後懲役2年の判決が出たが、男はすぐに控訴。控訴審中に車上荒らしを行っていたという。

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