「地上に太陽をつくり出す」と例えられる新たな発電方法「核融合」を実用化するための研究が、熱を帯び始めた。原子力発電に使われる「核分裂」と名前は似ているものの、全く別の反応で、火力発電のように二酸化炭素を排出することもない。アニメ「機動戦士ガンダム」など未来を舞台にしたアニメや映画にはしばしば登場してきたが、技術的なハードルが高く、実現はまだ先だと考えられてきた。しかし、ここ数年で様相は一変、各地で核融合炉の開発が進み、民間企業による技術競争が激化している。
地上に太陽をつくる
核融合は、水素などの軽い原子核同士が融合して新しい原子核になる反応。太陽の中心部では常に水素による核融合が起こっており、その反応によって膨大なエネルギーが生み出される。