千葉県、病床確保計画を引き上げ

千葉県は16日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、急激な感染拡大をふまえ、19日から東京に近い県北西部などで病床確保計画を上から2番目に厳しい「フェーズ3」への引き上げを決めた。鎌ケ谷、八千代両市を蔓延(まんえん)防止等重点措置の対象に追加することも正式決定。19日から県内では計11市が対象となる。

対策本部会議後の臨時記者会見で熊谷俊人知事は「特に東葛地域で病床稼働率が急上昇しており、逼迫(ひっぱく)に近づいている」と説明。緊急事態宣言の要請については「このまま続けば十分に選択肢に入ってくる」との見解を示し、感染拡大や病床の逼迫、東京都の感染状況などを見極めた上で判断するとした。

県内の新規感染者数は、15日までの直近7日間平均で188人を超え、6月初頭の約2倍まで上昇。特に東京都と近い東葛南部で増加が顕著で、年代別では20代が突出して多い。

病床稼働率は東葛南部で40%台前半、東葛北部では40%台後半まで上昇。これを受け、県は千葉、東葛南部、東葛北部および周辺の印旛、香取海匝、市原の各地域で、19日から病床確保計画を「フェーズ3」に引き上げる。これは「危機管理のフェーズ」(県担当者)だという。

県によると、14日時点での県内のワクチン接種状況は、65歳以上の高齢者の78・45%が1回目を、48・51%が2回目を終えた。全世代で見ると、24・13%が1回目を、13・58%が2回目を終えている。熊谷知事は「ワクチンが普及しても、それを超える絶対数(感染者数)が出てくれば医療が耐え切れなくなる」と指摘した。

重点措置地域の要請内容は変わらない。飲食店の酒類提供は午後7時までで、利用者にも「2人まで」「90分以内」を求める。

会員限定記事会員サービス詳細