マーライオンの目

深刻な労働力不足

新型コロナウイルス流行後、規制の厳格化と緩和を繰り返すシンガポール
新型コロナウイルス流行後、規制の厳格化と緩和を繰り返すシンガポール

新型コロナウイルス流行後、規制の厳格化と緩和を繰り返すシンガポールだが、感染状況が比較的落ち着いたことを受け、12日から飲食店内で同一グループが飲食できる最大人数が2人から5人に引き上げられた。各地のレストランはにぎわいを取り戻したかに見える。

飲食店を経営する友人に「繁盛しているか」と聞いてみたが、当人は浮かぬ顔だ。入店可能な人数が増えたのは朗報だが、店員がなかなか確保できず時短営業を余儀なくされているのだという。この店に限った話ではなく、地元紙ストレーツ・タイムズによると、レストラン協会に加盟する多くの店舗で20~30%程度の店員不足が生じている。

新型コロナ流行以前、シンガポールには隣国マレーシアから毎日約30万人が〝越境通勤〟していたが、国境管理の厳格化で激減した影響が大きそうだ。出入国の管理はすぐに緩みそうにはないだけに、飲食店に限らず各分野で労働力確保は課題となっている。

「給料を上乗せしてもなかなかシンガポール人は求人に集まってこない」と、前出の知人は苦笑した。

外国からの労働者が経済発展を下支えしてきたシンガポールだが、コロナ禍でその構造が岐路に立たされていることを改めて実感した。(森浩)

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