「救食」学校レトルトカレー 学生食堂や地域を支援

高校や大学などの教育現場で、レトルトカレーが続々と開発されていることをご存じだろうか。地元の食材を使った「ご当地カレー」がブームになるなか、教育現場でもレトルト食品づくりが広がっているという。学校発といえど、地域のスーパーで販売されたり、地元自治体の「ふるさと納税」の返礼品に選ばれたりする本格派も。だがなぜ、学校がカレーをつくるのか。

大阪府八尾市の府立八尾高校がレトルトカレーづくりに乗り出したきっかけは、完全民営の学生食堂が経営難に陥ったことだ。食堂存続に向けて生徒や卒業生が知恵を絞り、「おいしい」と評判のカレーをレトルト商品化して運営費にあてようと考えた。

八尾高校のシンボル「狐山」の前で「八尾きつねカレー」をアピールする学生食堂店長の浜本行則さん(前列左から3人目)と食物研究部の生徒たち=6月14日、大阪府八尾市の八尾高校(南雲都撮影)
八尾高校のシンボル「狐山」の前で「八尾きつねカレー」をアピールする学生食堂店長の浜本行則さん(前列左から3人目)と食物研究部の生徒たち=6月14日、大阪府八尾市の八尾高校(南雲都撮影)

トマト入りのポークカレーと、市特産の小松菜を使ったチキンカレーを開発。学校のシンボルの「狐山」にちなみ、商品名は「八尾きつね山カレー」とした。開発に協力した同校食物研究部の部長、中田絢さん(17)は「野菜嫌いな人も食べられるマイルドな仕上がりになった」と話す。

昨夏、支援金に応じた返礼品としてカレーを受け取れる購入型クラウドファンディングを実施したところ、約1カ月で目標額を大きく上回る185万円が集まった。昨秋からは地元自治体のふるさと納税の返礼品にもなっている。

コロナ禍で食堂経営はさらに厳しい状況となっているが、店長の浜本行則さん(47)は「休業も、『じっくりカレーについて考えられる時間だ』と、前向きに思えた」と話した。

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レトルトカレー作りに取り組む学校は各地にある。鳥取県立倉吉農業高の「イノシシカレー」は害獣として駆除されたイノシシの肉を使ったカレーを考案。新潟県立海洋高の「ごっつぁんカレー」も産卵後の食用に不向きなサケの有効活用が活動の原点だという。