【「する」スポーツ文化を関西から】スポーツの議論を前向き、建設的に - 産経ニュース

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「する」スポーツ文化を関西から

スポーツの議論を前向き、建設的に

木下博夫事務総長
木下博夫事務総長

東京五輪の開幕がいよいよ迫ってきました。史上初めてとなる、新型コロナウイルス禍という厳しい条件の下での大会です。来年5月に「ワールドマスターズゲームズ(WMG)2021関西」の開催を目指している立場としては、五輪の新しいモデルがどのように築かれ、後世に引き継がれていくのかを、しっかり見守りたいと思います。

五輪を成功に導くために、組織委員会をはじめとした関係者のみなさんは、並々ならぬ努力と工夫を重ねてきたことでしょう。それらが、スポーツの在り方にどんな変化をもたらすかを確認する必要があると考えています。スポーツは本来、爽(さわ)やかなもの。健康につながるなどの有益な効果もあります。ところが、近年はお金がかかるイメージが一部で定着しているように感じます。東京五輪の開催に要した経費の規模については今後検証されるとして、もっとスポーツの本質にスポットライトが当たってほしいと思います。

WMG2021関西は17日に開幕300日前を迎えます。開催時には、ワクチン接種が飛躍的に進み、日常が戻っていてほしいものですが、社会全体が「ビヨンド・コロナ(コロナを乗り越え)」になるのは難しいかもしれません。まだ「ウィズ・コロナ(コロナと共に)」の状態が続いているかもしれない。いずれにしても、冷静に判断、討議を重ねつつ、どんな大会にできるのかを考えていきたいと思います。

「見るスポーツ」から「するスポーツ」への転換を図り、スポーツツーリズムなどを通じた「交流」を主要なテーマに掲げるWMG2021関西には、①10府県の分散開催で開催自治体の独自性を発揮させる②障がい者と健常者が同一フィールドに参加し、インクルーシブな社会を推進する③交流を通じて埋もれていた地域の資源を顕在化させる④高齢化社会に対応する健康水準を向上させる-といった役割や意義があります。

たとえば、①について。アジア、日本で初めて開かれるWMGをさまざまな自治体で開く効果は大きいと思います。東京五輪のホストタウン活動は感染拡大に伴ってキャンセルが相次ぐなど、当初の計画通りには進みませんでしたが、WMG2021関西では、多くの自治体で交流が活発化してほしいと願っています。

五輪、そして東京パラリンピックが終われば、次はWMG2021関西です。今は各自治体や競技団体と調整しながら、本格的に盛り上げていくための仕込みを一生懸命準備しています。スポーツの議論が前向き、建設的なものになり、この大会を開催することによる効果の広がりにも注目してもらえるようになってほしいですね。(WMG2021関西組織委員会事務総長 木下博夫)