「責任を感じる」 釜師、角谷勇圭さん人間国宝に

人間国宝に認定された釜師、角谷勇圭さん=大阪府八尾市(須谷友郁撮影)
人間国宝に認定された釜師、角谷勇圭さん=大阪府八尾市(須谷友郁撮影)

「恐れ多く…。父にはとても及ばない。責任を感じるが、地味な仕事を評価いただき、ありがたい」

父親は茶の湯釜の世界で釜師の現代最高峰として知られ、人間国宝だった故・一圭(いっけい)さん。その技を受け継ぎ、親子2代での人間国宝となった。

途絶えていた技術を復元するなど挑戦し続けた父の生き方に「共鳴し、憧れがあった」と話す。高校で図案を学び、繊維会社でデザインの仕事を経験。20代後半で父に弟子入りすると仕事は「見て、学んだ」。

茶の湯釜は茶の湯の中で最も重要な道具の一つ。使い込むと錆(さび)も出る。そこに「日本の心『わび、さび』がある」と魅力を語る。

大阪府八尾市に構える工房では、文様をつけて細工した鋳型に溶かした鉄を流し込み鋳造し、漆をかけて仕上げる。すべて釜師の手作業で、1つ作るのに「1~2カ月かかる」という。

代表作は平成29年の日本伝統工芸展で受賞した「芦辺姥口釜(あしべうばぐちがま)」。造形美だけでなく、浮かび上がる文様の繊細さが評価されている。父のように生涯現役を貫くつもりだ。その上で全国各地にいる釜師の後輩らに「技術の話を伝えていければ」と考えている。(西川博明)

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