経済#word

「ゲーミフィケーション」 生活改善・人材育成にゲーム要素

ここで生かされるのがDeNAのノウハウだ。身長や体重、摂取カロリーなどを記録すると、その人にあった運動の動画などを紹介し、アニメキャラクターが利用者を励ましたり、体重が減っていく様子を分かりやすく表現したりといった工夫がこらされている。DeNAは「数カ月にわたって健康になる習慣を身に付けてもらうような仕組みを取り入れている」と説明している。

また東和薬品とバンダイナムコ研究所は薬の飲み忘れを防ぐ服薬支援ツールを開発中。飲み忘れで無駄になった残薬が医療費高騰の一因となっており、京都大などと実証実験を重ねている。

簡単操作で楽しむ

ゲーミフィケーションが達成するのは個人の楽しみだけではない。企業が従業員のやる気を高めるために人事制度に取り入れたり、顧客とのコミュニケーションに応用したりといった用途もある。またタクシー会社や運送会社向けに、急ブレーキや急ハンドルといった運転時の挙動をスコア化し、運転技術の向上に役立てるアプリも開発されている。

米国の調査会社によると、世界のゲーミフィケーション関連市場は、20年に87・3億ドル(約9700億円)規模となった。27年まで年平均20%以上成長し、350億ドル(約3兆9000億円)に拡大するとも予測されている。

一方、ゲーミフィケーションは単にゲーム要素を取り入れれば楽しくなるといった単純なものではない。

サービスを広く受け入れてもらうためには、利用者とサービスの間をどのようにつなぐかという「ユーザーインターフェース(UI)」の考え方が肝要だ。多くのゲームは説明書がなくても直感的に操作できるように工夫がこらされ、簡単な操作で子供から大人まで楽しむことができる仕組みに作りこまれている。あるゲーム会社首脳は「UIこそゲームの命」とし、ゲーム業界が築き上げてきたノウハウに自信を示す。