「都民の警察官」に5氏選出 コロナ感染防止で書類選考

警視庁本部 =東京・霞が関
警視庁本部 =東京・霞が関

東京都民の安全を守るため職務に励む警視庁の警察官を表彰する第91回「都民の警察官」の受章者が決定した。今回は、麻布署生活安全課の藏屋博文警部補(56)▽組織犯罪対策5課の西垣猛弘警部補(53)▽通信指令本部第3指令課の沼田治警部補(53)▽少年育成課の小林由紀警部補(53)▽小金井署戸倉駐在の神田清人警部補(57)-の5氏が選ばれた。

新型コロナウイルス感染防止のため、前回に続き今年も選考会は開かず、書類選考方式を採用した。警視庁が候補者8人を推薦。委員がこれまでの実績や人柄といった推薦の理由を基に最終的に5人を選出した。

委員らは、藏屋警部補や西垣警部補について「多くの事件を解決に導いた」などと評価。沼田警部補については「110番受理のエキスパートとして都民の安全に貢献した」などと理由を示した。

また、小林警部補や神田警部補については「人間味あふれる対応や都民と警察の架け橋となる活動は、都民に大きな安心感をもたらした」などとした。

表彰式は、8月12日午後1時から千代田区大手町の大手町サンケイプラザで行われる。

麻布署生活安全課 藏屋博文(くらや・ひろふみ)警部補(56)

麻布署生活安全課の藏屋博文警部補
麻布署生活安全課の藏屋博文警部補

《感謝・謙虚・行動力》-。生活の信条に、この3つを掲げ、37年余りにもわたる警察官人生を歩んできたという。明るい性格で、上司や同僚からは「クラさん」と親しみを込めて呼ばれ、課内で慕われている。

長く身を置いてきたのが生活安全部門で、23年余りを数える。結果が出るまで粘り強く捜査する姿勢は他の捜査員の模範にもなってきたという。

生活安全特別捜査隊に所属していた平成16~17年には繁華街のバカラ賭博店の摘発に貢献。繁華街を転々としながら売春パーティーを開催していた組織も摘発するなど、街の健全化に尽くしてきた。この事件を含め、数々の警視総監賞を受賞し、事件捜査能力は極めて優秀だとされる。

前回の東京五輪が開催された昭和39年に生まれ、今回の東京五輪では警察官として勤務できることは「この上ない喜びだ」と語る。そこに、都民の警察官の受章も重なり、「警察官としてこれ以上うれしいことはない。お世話になった方々と喜びを分かち合いたい」と話した。

組織犯罪対策5課 西垣猛弘(にしがき・たけひろ)警部補(53)

組織犯罪対策5課の西垣猛弘警部補
組織犯罪対策5課の西垣猛弘警部補

「プロ意識の塊」。精鋭がそろう本部の捜査員の目にもそう映るほど、銃器薬物捜査に精通している。勤続30年のうち21年余りを組織犯罪対策部門で過ごすなど、反社会勢力との対決姿勢を堅持してきた。銃器や薬物の捜索現場では「証拠品が見つかるまで絶対にあきらめない」との気概を持ち、広範囲に渡って捜す姿勢を示してきたという。

平成29年には指定暴力団の関係者らが使用していたマンション一室を突き止め、家宅捜索。拳銃や実包、大量の薬物を押収したという。組幹部らの逮捕にも踏み切り、日本中の暴力団組織に警鐘を鳴らし、警察の存在感を示した。

捜査の最前線に立ち多忙な日々を送ってきたが、妻らと月1度ほどキャンプに出かけ、手料理をふるまうなど家族とのコミュニケーションも大切にしてきた。

組織犯罪対策部門での活動は一般人の目にはつきにくいが、安心安全なまちづくりには欠かせない。自らの努力と、家族や周囲の支えを受けての受章に「ありがたく、本当に光栄の極み」と喜びを語った。

通信指令本部第3指令課 沼田治(ぬまた・おさむ)警部補(53)

通信指令本部第3指令課の沼田治警部補
通信指令本部第3指令課の沼田治警部補

およそ17秒に1件のペースで入るという110番通報の受理担当の筆頭主任として活躍している。通報の約3割はいたずらや不要不急のものだとされるが、その一つ一つに丁寧に対応し、通報者の気持ちを最大限にくみ取ることを心がけているという。

「都民の声を現場の警察官に伝える架け橋となりたい」。巡査の時から、そう強く思い、110番受理のプロを目指し、技術を磨いてきた。

平成19年には、刃物を使ったコンビニ強盗が起きた際に被害者からの110番通報を受理。動揺する被害者を落ち着かせ、犯人の人着や逃走方向、刃物の形状を詳細に聞き出し、早期解決に貢献した。昨年も7千万円余りの現金がだまし取られた特殊詐欺事件で、被害者からの通報を受け、犯人の摘発に尽力した。

今も技術向上には余念がなく、28年には通信指令技能検定上級を取得。後輩らの指導育成にも力を入れているという。「これからも誠意を持って通報に対応していきたい」。受章決定に決意を新たにした。

少年育成課 小林由紀(こばやし・ゆき)警部補(53)

少年育成課の小林由紀警部補
少年育成課の小林由紀警部補

少年の健全な育成や犯罪被害防止の分野で長く活躍してきた。

目黒署で勤務していた平成13年、署の柔剣道に通う子供に茨城県での合宿を企画。核家族で生活していることが多い子供に集団行動による協調性や忍耐力向上などの体験を積ませた。

少年育成課在任中の22年には、小学生に対する万引防止の人形劇を企画、立案するなど、前例にとらわれないアイデアで、非行防止に貢献。現在も「少年非行の傾向」と題した冊子を作り、都内の全小中学校に配布し、好評を得ている。

警察官の夫と長女、長男の4人家族。仕事と育児を両立した経験から、女性職員の指導的な役割も担っている。後輩が悩んでいるときには優しく寄り添い、時には愛情を持って厳しく指導する姿に、上司からの信頼も厚い。

趣味はガーデニングで多忙な日々の中にも常に花を絶やすことなく、自らや家族を癒やしている。「子供は将来を担う宝。健全に育つように力になるとともに都民の安全・安心に尽くしたい」と話している。

小金井署戸倉駐在 神田清人(かんだ・きよと)警部補(57)

小金井署戸倉駐在の神田清人警部補
小金井署戸倉駐在の神田清人警部補

39年を超える警察官人生の中で、主に地域部門に身を置いてきた。多くの地域住民の顔や名前を覚え、すれ違う際には、必ず声を掛けるなど、「身近なおまわりさん」を体現してきた。

今の小金井署戸倉駐在所の勤務は8年余りになるが、休みを利用して妻とともに町内会主催の日帰りバス旅行に自費で参加するなど、あらゆる機会を通じ、住民の話に耳を傾け、ふれあいを大切にしている。

平成28年には、息子をかたる特殊詐欺犯とみられる男からの電話で銀行に現金を引き出しに行こうとしていた高齢男性を捜し出し、粘り強く説得して被害防止につなげたという。

温厚な性格で、弱者に寄り添う姿勢を貫き、相手に配慮した親切丁寧な対応を続けてきた。それに対する感謝も署などには多く寄せられている。その評判は受け持ちの地域の枠を超え、隣接の地域住民も相談に訪れるほどだという。

今回の受章に「駐在所勤務員にとって最高の賞をいただいた。地域住民の方や妻の協力に感謝したい」と話した。

>「都民の警察官」特集サイト

【選考委員】島谷直史・生命保険協会東京都協会事務局長▽吉森裕次・東京都交通安全協会理事長▽爪坂万・東京防犯協会連合会専務理事▽八島純・東京都警察懇話会事務局長▽田中繁・東京警友会連合会常任理事▽大橋太郎・東京ガス広報部長▽葛岡武志・サンケイビル統括部長兼総務部長▽鬼澤英生・富国生命保険業務部部長▽武藤伸樹・産経新聞社新プロジェクト本部長▽中村将・産経新聞社社会部長

【主催】産経新聞社▽フジテレビジョン▽文化放送▽ニッポン放送

【後援】フジサンケイグループ

【協賛】生命保険協会東京都協会▽東京都交通安全協会▽東京防犯協会連合会▽東京都警察懇話会▽東京警友会連合会▽東京ガス▽サンケイビル▽富国生命保険▽リコルディ



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