中国ウイグル・サプライチェーン産品の排除迫る 米政府「法律違反リスク」

8日、米ワシントンのホワイトハウスで話すバイデン大統領(AP)
8日、米ワシントンのホワイトハウスで話すバイデン大統領(AP)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権は13日、中国新疆ウイグル自治区に関わるサプライチェーン(供給網)を持つ企業に対し、「米国法に違反する高いリスク」があると警告する文書を発表した。ウイグル族らへの強制労働や、人権抑圧の監視活動に関与する恐れがあるとして、供給網から同自治区の産品を排除するよう迫る内容だ。

国務省が財務省や商務省など5省庁と連名で文書を出した。ブリンケン国務長官は声明で、自治区でジェノサイド(民族大量虐殺)や人道に対する罪、強制労働が続いており、企業や同盟国と連携して「中国政府に対する説明責任の追及を強めていく」と強調した。

文書は綿花やトマトなどの農産品、ポリシリコンなど再生可能エネルギーの関連部材、携帯電話や電子部品、衣類や靴、玩具など幅広い製品を例示。企業が抱える供給網が「直接、間接的に」強制労働に関与していないか慎重に点検するよう求めた。

供給網だけでなく、中国企業への投資や、合弁設立といった多様な企業活動での注意を促している。

トランプ前政権下の今年1月には、米税関当局がファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」のシャツの輸入を差し止めた。バイデン政権もウイグル自治区の強制労働に厳しく対応しており、中国企業への禁輸措置を相次いで発動してきた。今回、トランプ前政権が昨年7月に発出した企業向けの文書を更新し、警告を強めた。

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