「黒い雨」訴訟、国の控訴棄却 加藤長官「判決精査」

会見に臨む加藤勝信官房長官=14日午前、首相官邸(春名中撮影)
会見に臨む加藤勝信官房長官=14日午前、首相官邸(春名中撮影)

加藤勝信官房長官は14日午後の記者会見で、原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びたとして、国の援護区域外にいた原告を被爆者と認めた1審広島地裁判決をめぐり、広島高裁が同日、地裁判決を支持して被告である国側の控訴を棄却したことに関し、「関係省庁において判決の内容を十分精査し、広島県および広島市と協議した上で対応していく」と述べた。

加藤氏は、昨年7月の地裁判決を受け、厚生労働省が「黒い雨」地域の区域設定の拡大も視野に入れて再検討を行っていると説明。これまで蓄積されてきたデータや最新の科学技術を活用して検証しているが、一定の時間がかかるとも指摘した。

その上で「被爆から75年を迎え、関係者の方も高齢化し、さらなる科学的知見の調査のための糸口となる記憶も薄れつつある。厚労省においてはスピード感を持って取り組んでいただきたい」と述べた。

今回の判決は、黒い雨の被害をめぐる高裁レベルの初判断。広島への原爆投下後に降った黒い雨を浴びて健康被害を受けたのに、国が定める援護区域外にいたことを理由に援護を受けられないのは違法として同県内の84人(死亡者含む)が県や市に被爆者健康手帳の交付を求めていた。